えどさくら10配布ペーパー(5)加山&宍戸 (13/10月作成)

 楽して生きようなどとは思っていなかったが、自分が置かれたその場所はあまりに極端過ぎやしないだろうか。
「すっかり慣れてしまったけどね」
 そう独り言ちて周囲の安全を確認する。
 花組や奏組などの実戦部隊ほど霊力はないが、敵を感知できる程度に霊力はある。
 どうやら雑踏に紛れて襲われる事もなさそうだ。
 そう安堵の息を漏らした瞬間。
 後方からぽんと肩を叩かれてハッとなる。
「…油断してました。いつからいらっしゃってたんです?隊長」
 素直にそう観念すると途端に彼の人の気配が俺の周囲を包んだ。
「今来たところだ。首尾は上々そうだな、宍戸」
「あなたのお陰で自信を失いそうですけどね」
「その程度の自信なら無い方がいいぞ~?」
「ま、そりゃそうですね」
 息を吐いてから飄々と返してみせると、いつもの人懐っこい笑顔で返された。
 とても敵いそうにない人だ。

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