熱い。
ただひたすらに熱くて早くこの熱を冷まして欲しいと思う。
「…ぅ…っ…ん…」
これが自分の声なのかと信じ難い甘ったるい声が自らの耳にも響いてくる。
羞恥心でますます火照る躰をもはや自分ではどうすることも出来ない。
「……やく…っ…まして、くれ…っ…」
吐く息と同化した言葉で嘆願してロベリアの背中に爪を立てる。
「っ…」
僅かに悲鳴に似た声を上げてから口角を上げるとロベリアが目を細めて言った。
「…だからこうして冷ましてやってるんじゃないか」
「…熱く…してる…だけではない、のか…っ」
「じゃあ、まだ熱が上がり足りないんだな。欲しがりのお嬢サマにはまだあげないとね」
そう指を熱の中心で動かし更なる熱を煽る。
「…あぁ…っ」
その動きに呼応するようにグリシーヌの躰が大きく跳ね、縋り付くようにロベリアの背中を抱きしめる。
「…まだだ。まだ冷めないだろう?この程度じゃ、アンタは」
増やされた指に熱を掻き回されて。
思考は熱に支配されてしまった。
熱は冷めない。