「おい、何でいつもこうなってるんだよ」
気が付けばロベリアに羽交い締めにされている。
サジータは不服そうにロベリアに言った。
「ああん?何だよ」
「手だよ、手っ」
「ああ、これか」
サジータの手を掴んだままひょいと上に上げてみせるロベリア。
「こうしてアンタを捕まえておこうと思ってね」
「また捕まった時用にか?」
「ああ。何てったって敏腕弁護士サマだからね」
揶揄も含めてそう言ったロベリアにフッと笑ってサジータが返す。
「なら、あたしがあんたを捕まえておく事にするよ」
「どういうことだ?」
サジータの言葉に目を細めるロベリア。
「捕まる前に捕まえておくだけじゃないか」
そうロベリアの首に腕をかけるサジータ。
そのサジータの腰を自分の方に引き寄せて囁く。
「だったらアタシに手錠でも着けて鍵をかけとくんだね」
「…そうするさ」
ロベリアに顔を近付け深く唇を重ねたサジータに喉の奥を鳴らして応えるとロベリアが言った。
「…なるほど。アンタしか鍵は持っていないね」