「どうしたんですか?ヒューゴ」
「…ルイスか」
中庭の木陰で座って本を読んでいたらしいヒューゴにルイスが声を掛けると何故だか困惑した表情で顔を上げた。
その様子に視線を下に向けるとヒューゴの膝の上でもなかが丸まって寝ている。
「おや。気持ちよさそうに寝ていますねぇ…」
「…ああ」
「…それで動けずにいるんですか?」
憮然と頷いたヒューゴにルイスがそう問うとため息を吐いてから諦めた様に頭を振った。
「ふふ。あなたらしいですね」
「…何が可笑しい?」
「いえ、あなたが優しいから嬉しいんですよ」
そう微笑むとルイスはヒューゴの膝の上で丸まっているもなかを抱き上げて撫でた。