「また居ないのか。何処をほっつき歩いてるのやら」
主不在のその部屋の椅子に腰掛けて宍戸はため息を吐いた。
次の瞬間、背後に気配を感じて反射的に素早く構えると、背後を取った人物がいつもの人懐っこい笑顔を見せた。
「腕は落ちてないみたいだな」
「隊長?!」
「よぅ!久し振りだなぁ、光星!」
ギターを構えた加山に呆れた表情で宍戸が返す。
「最初から此処に?」
宍戸の質問にニッと笑って肯定する加山。
「出来る部下を持つと楽出来るなぁ~」
「よく言いますよ。誰よりも仕事してる癖に」
「たまに休めとか言うなよ?」
「言いませんよ。俺、楽したいですし」
不敵に笑って返すと加山の肩を叩いた。