―ヨハン・シベリウスの場合。おまけ。

 「え?!」
 目の前に立った人物が余りに予想外で音子は思わず素っ頓狂な声を上げた。
 「…私では不満かね?」
 大きいその体を少し屈める様に音子に傘を差し掛けるヨハン。
 「総楽団長がいらして下さると思ってなかったので…その嬉しいです…」
 「そうか…」
 音子のその言葉にヨハンは僅かに目を揺らがせた。

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