サニラチェ

 キャメラトロンの通信ボタンの電源を満足げに押したサニーサイドにラチェットが眉をひそめる。
 「また大河君達のデートの邪魔を?」
 ラチェットのその質問に肩を竦めて見せてから笑って返すサニーサイド。
 「邪魔?人聞きが悪いなぁ、ラチェット。恋に障害は付き物デショ?」
 悪びれずにそう言い放つ。
 「障害?それが?ただ、邪魔をしているようにか見えないわ。それも毎回だもの。いい加減、昴を怒らせるわよ」
 呆れた様に溜息を吐いてラチェットが言う。
 「はは。そろそろ怒られるかもね。怖いね。どうしようか」
 そう言いながらも、サニーサイドに少しも反省している様子はない。
 それどころか。
 ラチェットに顔を近付けて掠め取る様に唇を奪うと、目を細めて言った。
 「僕がこんな事をしないように僕の時間を埋めてしまうしかないね。…それはどういう事か解るかい?」
 見つめられて赤面しながらラチェットが答える。
 「最近デートしていなかったわね…あなたと…」
 「だろう?だからさ」
 「僕が時間を持て余してしまっているのは誰の所為かな?」
 満面の笑みでラチェットの手を取りその指に口づけたサニーサイドに苦笑しつつも恥ずかしそうに俯いて。
 「次の休みに…」
 小声で言ったラチェットに機嫌良さそうに頷くサニーサイド。
 「喜んで。これで昴に怒られなくて済むね」
 そう口角を上げた。

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