ロベグリ

 「まだ待たせるのか?」
 苛立ちを押さえているのが判る静かな声。
 「そう頻繁にするものでもあるまい」
 そう返しながらもこの薫りが近くに在るだけで欲している自分に気付いている。
 僅かなそんな心の機微を読まれたのかロベリアが口角を上げて言った。
 「もう、いい加減諦めろよ。あたしが欲しいだろう?」

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