窓の外を見つめながらため息を吐くかえで。
「…どうされましたか?」
同時に窓が開いてずぶ濡れの加山が入って来る。
「!加山君!…大丈夫なの?」
「?何がです?」
驚いた表情のかえでに首を傾げて加山が返す。
「何がって…」
そう強風で雨が窓に打ち付ける外に視線を向けるかえで。
「ああ」
「だって、今日は約束の日でしょう?これ位何でもないです。それより、部屋を汚してしまってすみません」
全身から水滴を垂らしながら申し訳なさそうに言った加山に我に返って。
クローゼットから慌ててタオルを取り出すかえで。
加山の頭にタオルを掛けると水滴を拭き取るように動かして。
「私の為に来てくれたんだもの。これ位何でもないわ」
頬を染めたかえでに微笑んで加山が言う。
「俺の為でもありますよ。かえでさんにどうしても会いたかったので来てしまいました。流石にちょっと風が強かったですね」
そう笑った加山に苦笑して。
「でしょうね。…でも、ありがとう」
そう頬に口付けた。