「ギーさん!どこ行くの?」
玄関を出ようとしたギースを捕まえて鼓太郎が聞く。
「ちょっと其処の本屋に行くだけだよ」
苦笑してそう返したギースの顔をじっと見つめる鼓太郎。
「どうしたんだい?」
「やっぱり顔色良くない。僕も一緒に行くよ」
鼓太郎の指摘と申し出に申し訳なさそうにギースが返す。
「いつもついて来て貰ってるし、たまには鼓太郎にゆっくりして貰おうと思ったんだよ」
「僕はギーさんが一人で出掛ける方が落ち着かないよ」
「はは…面目ない」
眉根を八の字にしたギースの表情に目を細めるとギースの手を自分の方に引き寄せて鼓太郎が言った。
「…僕が一緒に居たいだけだよ?ギーさん」