「昌平、僕はどっちでもええんよ?」
真剣な顔で世海を見つめたまま棒立ちの昌平の顔を覗き込む様に世海が言った。
「も、もうちょい待ってくんねぇか?!」
「無理に今日、接吻せんでもええ思うけどなぁ」
ベッドに腰掛けて首を傾げた世海の言葉に昌平の顔が紅くなる。
「せせせ接吻くらい出来らぁ!」
「接吻言うだけで紅うなっとる癖に」
「る、るせぇ!」
世海の指摘にますます顔を紅くして。
「で、しはるんですか?接吻」
「する!!目ぇ閉じやがれ!」
「へぇへぇ…」
目を閉じたところでこの小心者に出来る筈がないと高を括っていた世海の肩を掴み、恐る恐る顔を近付けると昌平は唇を重ねた。
唇の離れていく感覚にそっと目を開けると、気まずそうに昌平が顔を背けている。
「…驚きましたわ」
ポツリと言った世海の一言にバッと顔を向ける昌平。
「こ、後悔とかしてんのか?!」
「逆どす。惚れ直しましたわ」
「は?!」
「昌平にもこんな度胸があったんどすねぇ…」
微笑むと世海は目を細めた-。