さぶ音子

 オケピの掃除をしながら羨望の眼差しを舞台に向ける音子。
 「無駄だね」
 不意に声がして振り返ると其処には源三郎の姿。
 「わ、解ってるよ。でも、思う位は─」
 「よくないね。僕達の舞台は此処なんだ」
 そうオケピに視線を振る源三郎。
 その視線の意味に頷く音子。
 「精々、足を引っ張るといいさ」
 「もうっ」

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