「お正月だからって少し飲み過ぎなんじゃないですか?」
機嫌良さそうにマリアの肩に寄り掛かるかえでに苦言を呈するマリア。
「だって、こんなに皆と仲良くなれるなんて思ってなかったんだもの♪」
「グリシーヌやサジータはともかくロベリアと昴の一緒の時は心配です」
神妙な顔でマリアが言う。
「なぁに、ヤキモチ?」
「それもありますが、本当に心配しているんです。あなたは無防備ですからね」
どうにも理解していないかえでにため息を吐くと目を細めるマリア。
「油断していると噛み付かれてしまいますよ?…こんな風に」
「え?」
そう首を傾げたかえでの首筋に歯を立て甘噛みする。
「…っ…」
思わぬ感触にかえでから小さい悲鳴が嬌がる。
「こ、こんな事をするのはあなた位だわ」
「そう思っているのはあなただけだと思いますよ?」
意地悪い笑みを浮かべながらマリアが言う。
「…あなたの声は癖になりますからね。一度聴いたら、また聴きたくなります」
指でかえでの唇に触れて。
「ロベリア達だってそれは例外じゃないと思いますよ」
そう微笑んでから、あっさりと体を離すマリア。
そのマリアを思わず目で追ってしまうかえで。
其れに気付かないマリアではない。
極上の笑みをかえでに向けて、言う。
「酔いが醒めたら、あなたの望みを叶えて差し上げますよ。どうしますか?かえで」