「昴さん、あの!」
勢いよく昴の前に立つジェミニ。
「…何だい?」
「あの、あの、えっと」
口をパクパクさせながら口篭もったジェミニに微笑むとその頬に手でそっと触れて。
「落ち着け。急がなくても僕は逃げない」
「はい。すみません」
えへへと苦笑して深呼吸すると決心した様にジェミニが言った。
「えっと、昴さんはクリスマスはお暇ですか?」
言った後に頬を染めつつ緊張した面持ちで昴を見つめるジェミニ。
「…ああ。特に予定はない」
昴のその返事にホッとした様に息を吐いてから、言葉を紡ぐ。
「ボ、ボクと一緒に過ごしませんか?」
「…僕でいいのかい?」
笑みを湛えて昴が問い返す。
「昴さんじゃなきゃダメなんです!」
思わず力を込めて言ってしまい、恥ずかしさで赤面するジェミニ。
「す、すみません。つい…」
照れ臭そうに俯いたジェミニを穏やかな表情で見つめて、昴が言う。
「いや。僕も君と過ごしたいと思っていた。ありがとう」
昴のその言葉にジェミニは嬉しそうに抱きついた。