「すーばる♪」
座って本を読む昴に後ろから抱きつきながら、何やら上機嫌の織姫。
「…随分と機嫌が良さそうだね、織姫」
「判りますか-?ちょっち良い事があったんでーす」
如何にも聞いて欲しそうな織姫の表情にため息を吐くと昴は本を閉じた。
「…それで?」
「ふふーん。聞きたいでーすか?」
勿体振った織姫の言い方に眉をひそめながら昴が返す。
「…話したいのは君の方だろう?織姫」
「そんな怖い顔してもダメでーすよ?」
「…どういう事だ?」
「それは昴の方が判ってるんじゃないでーすか?」
ニマと笑った織姫の表情でそれを理解したのか、再びため息を吐いて。
「…だから何だい?」
「特にはないでーすよ?ただ、今の昴が好きだなーって」
その言葉に扇子で口元を隠す昴。
「照れてるんでーすか?」
(本当に変わりましたねー)
「…全く、君の突拍子のなさは変わってないようだ」
呆れた様に苦笑して昴が言う。
「そですかー?…あ。サジータ、可愛いでーすね!」
昴の頬が微かに染まった。