「どうされますか?もう逃げられませんよ?」
ハロウィンでファントムの仮装に扮したマリアがかえでを遊戯室の隅に追い詰める。
「…そうね。逃げられないわね」
「ですから、選んで下さい。お菓子か悪戯か」
そう囁きながらかえでの首筋に唇を寄せるマリア。
「…マリ、ア…」
「…待ち切れないので罰です」
待ち切れない罰だからとひたすらにキスを繰り返すマリアに少しずつかえでの息が上がっていく。
「…まだ、決められませんか?」
意地悪い笑みを浮かべてそう言ったマリアに目を潤ませてかえでが返す。
「…だって、あなた、が…」
そう言うかえでの言葉さえキスで飲み込んで。
「…マリアの意地悪…」
「…それは心外ですね。そんなつもりはないのですが」
そう言いながらかえでの耳朶を甘噛みするマリア。
「…ぁ…っ…」
その刺激にかえでから甘い吐息が上がる。
「早くしないと辛くなりますよ?」
「解ってる…、けど、もし、」
「もし、何です?」
「お菓子って、言った、ら…?」
「勿論、止めますよ?」