ロベグリ。

 鼻先を掠めるその薫りで目を閉じていても誰だか判る。
 近付いて来る足音に高まる期待を膨らませ、直ぐにでも起き上がりたい衝動を抑えて目をギュッと閉じる。
 「何、寝た振りしてんだよ」
 呆れた様なその声に。
 「…そなたのキスならば起きるかもしれぬな」
 そう答えると甘い薫りと共にキスが降って来た。

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