指先についたチョコを昴に舐められただけでその先を想像して赤面しているジェミニに目を細め、昴は椅子に座らせたジェミニの腿にチョコをつける。
その状況に半ば動揺しながら跪いて自分を見上げる昴の視線から目を逸らすとジェミニが言った。
「…す、昴さんボク」
「恥ずかしくなって来たのかい?」
肌の温度で溶けたチョコを指で掬い舐めながら昴が問う。
「…はい」
その昴の妙な艶めかしさにジェミニの頬が上気する。
「…僕は君からのお菓子か悪戯かなんて質問には答えられそうにない」
「え?どうしてですか?」
「君が何よりも甘いからね。…こんな風に」
立ち上がると昴はジェミニの唇を奪った。
昴の舌越しにジェミニの腔内にチョコの甘さが広がり甘い薫りが吐息と共に鼻腔をくすぐる。
キスの後、その薫りに包まれたくなって。
「…昴さん」
昴の胸に顔を埋めながらジェミニが言う。
「…何だい?」
「…悪戯、して下さい…」
「…良いハロウィンになりそうだ」
そう笑うと再びチョコを指で掬い取った。