「…あの…昴さん」
顔を真っ赤にしながらジェミニがシャツの裾から手を滑らせて来た昴に言う。
「…は、恥ずかしいですね」
ジェミニのその言葉に微笑んで返す昴。
「ならば止めようか」
「い、いえ…だ、大丈夫です!」
ジェミニが更に赤面しながら目を閉じて。
その様子に苦笑混じりに昴が独り言ちる。
「…君はどれほど僕を惑わせたら気が済むんだい?」
ため息を吐いた後。ジェミニの首筋を舐めあげる昴。
「…っ…くすぐったいです…昴さん…」
その刺激に一瞬反応した後、ジェミニが恥ずかしそうに言った。
「…なるほど」
その言葉に口角を上げると、耳朶を甘噛みする昴。
「…ん…っ…え…?」
思わず嬌がってしまった声に自ら驚いた後、羞恥心で顔を両手で覆うジェミニ。
「…す、すみません。ボク…」
半ば泣きそうな顔をしたジェミニの髪を撫で昴が優しさを含んだ声で言う。
「謝る必要は無い」
「でも、恥ずかしいです…」
「ならば、君の声をもっと聴かせて欲しいと願う僕はとても浅ましい」
自嘲気味に笑った昴のその表情にジェミニが頭を振る。
「そんな事ないです…。ボクが恥ずかしがってるから、昴さんは…」
「…本当に君は僕を甘やかす才があるな」
そう笑ってジェミニの頬に触れると唇を重ねて。
遠慮がちに舌を絡めて来るジェミニに愛しさを覚えながら、昴は妙な充足感を感じたのだった。