上機嫌でグラスを傾け、昴とカードに興じるロベリアに突然抱きつくグリシーヌ。
「ロベリアっ、私の方を向けっ」
「はぁ?」
唐突な物言いにその顔を見ると目は潤んでいて頬も赤い。
「誰だ。コイツに飲ませたのは?」
振り返ると上機嫌に瓶を持つサジータ。
「…すまない。今日はここまでにしよう」
ため息を吐きながら昴が言ってロベリアも頷く。
「ったく、頼むぜ。躾をさ」
ロベリアの言葉に軽く手を挙げて答えると昴はサジータの方へと向かった。
「おい、グリシーヌ」
相変わらず抱きついたままのグリシーヌの顔を覗き込む。
「そなたがカードばかり見ておるからいけないのだ」
拗ねた様な口調。
「そういうゲームだ。カードに妬いたのかよ?」
揶揄すると、頬を染めながら目を逸らして。
「面白くないではないか」
(酔うとこれだから…。誰にも見せたくないってのに)
「で、アンタを見ろって?」
「そなたは私だけを見ておれば良いのだっ」
そう言い切ってロベリアの唇を奪う。
「…ああ。そうするよ」