ドアを開けた瞬間ににふと甘い薫りが昴の鼻をくすぐる様に降りてくる。
「…香水を替えたのか?」
ソファに座り台本に目を通すサジータに問う。
「ん?ああ。…嫌いな薫りだったか?」
昴にしては珍しい質問に不安そうに答えるサジータ。
「…いや」
そう思案顔で言うと昴はサジータに近付いて首筋を舐めた。
「…っ…」
不意打ちに思わず声を嬌げるサジータ。
「…お、おい昴。…ん…っ」
戸惑うサジータを余所に首筋に舌を這わせた後、耳朶を甘噛みする昴。
「…君がそんな薫りをつけているからどれほど甘いのかと思ってね」
囁く昴の声にサジータの体温が上がる。
「…僕には君の方がこの薫りよりもずっと甘いよ」