「ーそういえば」
グリシーヌとチェスをしながら昴が言う。
「何だ?」
「ロベリアの熱に浮かされた様な顔を見てみたいと思わないのかい?」
その質問に思わず立ち上がり赤面するグリシーヌ。
「ど、どうして判ったのだ!?」
「さぁ、どうしてだろうね」
低く笑う昴。
「…どうすれば良いか知りたいかい?」
そう不敵に笑う昴に一瞬見とれるグリシーヌ。
こういう不敵さがロベリアに似ているのかもしれない。
「僕にそんな顔を見せていいのかい?」
そう指摘され更に顔を赤くする。
「…それでどうすれば良いのだ?」
そう問うと昴が扇子を開いてから言った。
「簡単な事さ。君がロベリアの上に乗ってしまえば良い」
昴は立ち上がりグリシーヌの不意を突いてソファに押し倒す様に馬乗りになった。
「…こういう事さ」
そう耳元で囁くとグリシーヌの頬が上気した。
「そそそうか」
明らかに動揺して顔を背けて。
「その先は君がロベリアに実践すると良い。ーそれとも教示が必要かい?」
グリシーヌは赤面して首を横に振った。