扉をノックする音。
その叩き方で扉の向こうに誰が居るかは明白だ。
黙って扉を開ける昴。
「悪い!急に降られちまって」
髪から雫を滴らせながらずぶ濡れのサジータが言った。
「…酷いもんだな。とにかく入れ。そこが水浸しになる」
そう招き入れ扉を閉める。
「急に降り出すから参ったよ…」
「とりあえずシャワー浴びてくる」
そうジャケットを脱ぐサジータを見つめる昴。
濡れたシャツから透ける肌が妙に艶めかしい。
雫が滴っている髪もだ。
「…どうしたんだよ?昴。」
そう言われて見とれている事に気付く。
「何でも無い」
そう言ってから。
ふと頭に過ぎる。
「…このままシャワーを浴びようか」
「は?」
唐突な昴の言葉に思わず聞き返すサジータ。
「…脱ぐ必要は無いと言っている」
昴はそう言うとサジータを引き寄せ強引に唇を奪うと、キスを繰り返しながらシャワールームへと導く。
シャワーの栓を捻り勢いよく飛び出す水に一瞬震えたサジータを見つめる。
「…君は本当に僕を興奮させてくれる」