巴里の高台にある公園。
深夜だけあって街の灯りも少しずつ消え始めている。
「─突然何なのだ、これは」
そう持参した手紙をロベリアに示す。
「何って恋文だろ?欲しがってたじゃないか」
しれっとそう返すロベリア。
「これの何処が恋文なのだ?!」
そうグリシーヌが言うのも無理はない。
手紙には『今夜、約束の場処で待つ』ただそれだけが書かれていた。
「よくアタシだって判ったじゃないか」
「このような事をするのはそなただけだ。…それに筆跡で判る」
「愛されてるねぇ、アタシも」
「か、からかうな」
「でも、会えたじゃないか。こうして。…だから、此処が約束の場処って事になるな」