昴サジ2。

 昴の声が好きだ。
 その声で囁かれるだけで堪らなくなって切なさがこみ上げる。
 「…名前、呼んでくれないか?」
 「唐突だな」
 「いいから。頼む」
 「…サジータ」
 その声が耳元で響くだけで泣きそうになる。
 「…君は僕の声だけが好きなのかい?」
 そう肩を竦めた昴に言ってやる。
 「─全部に決まってんだろ?」

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