「ふたりで二度寝」大神×メル(10/05月作成)

『休日の朝は-素晴らしい休日2-』

閉じられたカーテンの隙間から零れる光が眩しくて、メルは目を覚ました。
直ぐ横には大神が寝ていて、寝息を立てている。
休日の前の晩に大神の部屋に泊まって、一緒に休日を過ごすのがここ最近の新しい習慣となった。
大神を起こさないようそっと腕を伸ばして伸びをすると、パジャマ代わりに借りたシャツが大きくて袖が肘の方まで下がって来てしまう。
そんなに腕の長さが違うものなのかと思わず袖を伸ばしてみるメル。
当然の事ながら、メルの手は袖の中に隠れてしまう。
妙にくすぐったい気持ちになって、メルから笑みが零れる。
─ふと。
視線を感じて、大神を見る。
「─おはよう、メルくん」
目が合って、満面の笑みで大神が言った。
どうやら、いつの間にか起きていたらしい。
「い、いつから起きてらっしゃったんですか?!」
一連の行動を見られていたかもしれない恥ずかしさから、メルの口調が強くなる。
「メルくんと同じくらいかな?」
やっぱり見られていた、と赤面のメル。
非難めいた表情で言う。
「寝た振りなんて悪趣味ですよ」
「声掛けようと思ったんだけど、メルくんがあまりに可愛かったから見とれてしまったんだよ」
恥ずかしげもなくそう宣う大神にメルの顔がますます紅くなる。
「もう知りませんっ…」
「そういうところがね。可愛いんだよ」
恥ずかしさから顔を手で覆ったメルの手を取り、手の甲にキスを落とす大神。
「…大神さんってこういう方でしたっけ?」
一方的な大神の攻撃に顔を火照らせながら、恨みがましい目でメルは反撃を試みる。
ところが。
「可愛い恋人を持つとこうなってしまうのかもしれないな」
うんうんと頷きながらそう言い放った大神に、むしろ返り討ちに合ってしまうメル。
そんなメルの髪を撫でながら、大神が問う。
「こういう俺は嫌い?」
「…嫌いじゃないです、けど」
「けど?」
「どういう顔をして良いか分からなくなるので、苦手です…」
最後は消え入るような声になって、メルが答える。
「それじゃ、なるべくそうならないように努力するよ」
「…お願いします」
目を合わせてそう苦笑した後、大神の胸に頭を預けるメル。
そんなメルを愛おしそうに抱き締める大神。
「まだ朝早いし、もうちょっとこうしてて良いかな」
「…はい」
心地よい温もりをお互いに感じながら、少しずつ微睡みへと誘われる二人。
─朝寝坊に、朝昼兼用の食事に、午後の当て所ない散歩。
休日の特権はいろいろあるけれど、何よりの特権は大切な人と一日中ずっと過ごせる事なのかもしれない─。

~あとがき~

ただいちゃいちゃ第3弾。大神×メルでした。
マイナーカプですが、私がメルを好き過ぎてダメだ(笑
ネタ起こしをしながら、ニマニマしている自分に気付いた時には絶望しました─orz
そして、大神さんは相変わらずシャツしか貸しません。
そっちの方がえろいからです。
単純に恥ずかしがり屋さんだから借りたんですよきっととか言ってみる。

title by: TOY甘々20題(その2)「ふたりで二度寝」

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