「ん? 何かちょっと太った?」大神×織姫(10/04月作成)

『そんな方便』

「んー?」
大神に抱きつきながら、首を傾げる織姫。
「どうしたんだい?」
そんな織姫に大神が問う。
一度大神から手を離し、もう一度抱きつくと織姫が言った。
「んー?何かちょっと太りましたか?中尉さん」
「え?!本当かい?!」
織姫の言葉に思わず腹回りを触る大神。
「ちょーっと、ですけどねー」
指でジェスチャーしながら織姫が言う。
「うーん…。最近、忙しくてしっかり鍛錬出来てないからなぁ…」
苦笑しながらそう言った大神に織姫が指摘する。
「自己管理がなっちゃいないでーすね!」
「面目ない…」
頭を垂れた大神をチラと見て。
意味ありげに小さく息を吐く織姫。
「…仕方ないでーすね。わたしが一緒にトレーニングしてあげまーす!」
「それは心強いな」
織姫の提案に頷く大神。
「決まりでーすね!」
「うん。よろしく頼むよ」
「それじゃあ…、30分後にトレーニングルームで待ってまーす!」
時計を見てから、ドアノブに手を掛ける織姫。
「ああ。それじゃ、後で」
軽く手を挙げて応える大神。
─大神の部屋を出た後。
小さく舌を出す織姫。
そして、独り言ちる。
「ごめんなさい、中尉さん。わたしのトレーニングに付き合って貰いまーす」
どうやら、”太った”云々は大神と一緒にトレーニングをしたかった織姫の方便だったらしい。
「一緒にやった方が楽しいに決まってますしね♪」
罪悪感はどこへやら、機嫌良さそうに自分の部屋に準備に向かう織姫。
軽いショックを受けた大神が気の毒と言えなくもないが、その後の二人で過ごす時間を思うと同情はさほどいらないのかもしれない。

~あとがき~

およそ、お題でなければ書かなさそうな台詞でした(笑
SSというより、小ネタな感じもしますがお題なのでこちらで( ̄∇ ̄;
姫は一緒にいるためにはこういう嘘もつく気がします…と言うよりついて欲しいかも。
まぁ、言葉にも出すと思うけど、姫には大神さんを振り回して頂きたいです。
更に言うなら、振り回しているつもりが振り回されて欲しい(笑

title by: Abandon/恋人に囁く10のお題「ん? 何かちょっと太った?」

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