「…サニー、お誕生日おめでとう」
サニーサイドの腕の中でラチェットが恥ずかしそうに言った。
「うん。ありがとう」
ラチェットの頬に手で触れ、額にキスを落として返すサニーサイド。
お互いの誕生日をこんな風に二人で過ごすようになってまだ数える程なのに、今までそうしてきたかのように妙に馴染むのは何故なのだろう。
もうずっとこうして過ごしてきたかのような錯覚さえ覚える。
そんな事をぼんやりと思っていたラチェットにサニーサイドがポツリと言う。
「…僕の誕生日にさ」
「え?」
「君とこんな風に過ごすようになってそんなに回数を重ねた訳じゃないんだけど、何故かもうずっと君とこうして来たように思えるんだよ」
それは正に今ラチェットが思っていた事で。
思い掛けない心情の一致にラチェットの頬が上気する。
そのラチェットの表情の変化に気付いたのかラチェットの顔を覗き込む様にサニーサイドが微笑む。
「…ああ。君もそういう風に思ってくれたんだね」
「ええ…。不思議よね」
「うん。君と知り合ってからは結構経つんだけど、こういう感覚は今年が初めてかもしれない。何て言うかな、ええと」
言いながら苦笑するサニーサイドの顔はどことなく緩んでいて、このこそばゆいような気恥ずかしいようなその感覚に少し戸惑いながらも喜んでいるようにも見える。
「…幸せ?」
同じように恥ずかしそうに言葉を継ぐラチェット。
「そう!正にそんな感じだよ。幸せなんだ、ものすごく」
その言葉に二人で顔を見合わせて。
二人で顔を朱に染めて。
笑ってから。
キスを交わした。
「はは。全く、いい大人が聞いて呆れるね」
「本当ね」
首を傾げてそう言ったサニーサイドに苦笑して頷くラチェット。
「ああ、でも本当に幸せなんだ。ね、ラチェット?」
「何?」
「これからも僕を君に夢中にさせてくれる?」
その言葉に更に顔を朱くして顔を両手で覆って、ラチェットが返す。
「どう返せって言うのよ、もう」
「はは。その顔が見たかったんだよ。ごめんね」
「サニーっ」
「でも、本当の事だよ」
「じゃ、じゃあ、あなたにも同じ事が言えるわ」
恥ずかしそうなラチェットからの思い掛けない返しに一瞬驚いた後、サニーサイドから笑みが零れる。
「ああ、頑張るよ。君に僕に夢中になって貰わないとね」
そうラチェットの瞼にキスを落として。
「気絶しそうなほど、幸せな誕生日だ」
嬉しそうにそう言った後、再びラチェットの白い肌に唇を寄せた─。
Happy Birthday Mr.Sunnyside!!
サニ誕2011でした。
何かいちゃいちゃしているサニラチェを書きたかったので、ただいちゃいちゃさせてみました(笑)
去年は一日遅れてしまったので、今年は間に合って良かったです(^_^;