巴里ライブ・カウントダウン2!
聖夜。
サクレクールの丘でノエルの装飾に彩られた街を見つめる大神とグリシーヌ。
「…貴公とこのようにノエルを過ごせるとは思っていなかった」
「そうかい?」
大神のその返答に意外そうな顔でグリシーヌが問う。
「貴公は違うのか?」
「いつかは帰って来ると思ってたからさ」
「そうなのか?」
「はは。質問ばかりだね」
「貴公がそうさせて居るのだろう」
大神の言葉に拗ねた様な口調でグリシーヌが答える。
「そうか。ごめん」
「謝るほどではないが」
「グリシーヌ、俺はね。例え時間が掛かっても、君とこの街で過ごすために帰って来ようと思っていたんだよ」
「…隊長…」
「まぁ、君がその時まで俺を待っててくれるか、なんてことは考えなかったんだけど」
『少し勝手だったかな』と笑う大神をグリシーヌがすぐに否定する。
「私が貴公以外の誰を待つと言うのだ」
「ありがとう。何よりも嬉しいよ」
グリシーヌの肩を引き寄せる大神。
「…礼を言われるほどではない」
ウットリと大神の肩に寄り添うグリシーヌ。
「Joyeux Noël、グリシーヌ」
「Joyeux Noël…」
巴里の街角で恋人たちのノエルが過ぎて行く─。