先行チケ大から早3ヶ月。
この日が来るのを首を長くして待っておりました。
いよいよ今夏の歌謡ショウ開幕です!!
初日は先行物販に並ぶ為に早めに家を出ました。
生憎の大雨でしたが、新宿駅から歩くこと20分弱。
『海神別荘』以来の懐かしの東京厚生年金会館です。
グッズ購入を無事に済ませ、軽食をとった後(お芝居中にお腹鳴ったら恥ずかしいですからね(笑))再び入場列へ。
開場時間まで待っていますと、恒例出演者様の入場列への顔見せがやはりありました。
初日は親方、公平先生、ダンディ団、大神さんが登場!!
皆さんと握手させて頂き、感激でした(^^)
特に大神さんが一人一人、両手でしっかり握手して下さっていたのにちょっと感動しました。
さて、では中に入ると致しましょう。
舞台の作りは去年の『新編八犬伝』と同じでオケピを潰して、両サイドに桟敷席。中央は張り出し舞台となっています。
その張り出し部分にこれまた去年と同じ奈落があります。
今回はどういった使われ方をするのでしょう??
そうそう開演時間になるまで会場にはサクラソングがかかっています。
初日は今回の新宝島のアルバム「新歌謡全集2」が、浪漫倶楽部貸切公演は「サクラ大戦全曲集DISC4」、20日夜は「サクラ大戦 帝撃歌謡全集」、千穐楽は「サクラ大戦2 歌謡全集」だったと思います。
順番ちょっと違うかもしれませんが、夏の歌謡ショウっていつも先行アルバムしか流れてなかったような印象があるので(新春は日替わりでいろいろ)、懐かしい曲が流れたりするとちょっと嬉しかったのでした。
さて、開演時間になったところで『ブーーーーーー…』とブザーの音が会場内に響きます。
その音で懇談もそこそこにザァッとあっという間に席に戻る帝都市民ズなのであります(笑)
そしてここでは初日の前説中心で。
☆前説☆
広井「いやいや、どうもありがとうございます~~。いらっしゃいませ~!」
と、上手側客席中央通路より登場するはお馴染みお掃除お兄さんこと掃除人広井!!
客席の方々から「待ってました!」「広井!」と声がかかります。
「ようこそお越し下さいました」等々、言いながら客席の女性またはお子様にお菓子を配りながら客席SS席通路へ。
広井「(上を見上げて)お二階さん元気?!」
ここまで来ないと2階席からは広井さんの声しか聞こえないんですよね。
『つばさ』、『紅蜥蜴』、『アラビアのバラ』、『海神別荘』と私の厚生年金会館での席はほとんど2階席でしたよ。懐かしい…。
広井「え~、お忙しい中ね。大雨の中、来て頂きまして」
舞台上手側桟敷席横通路へ移動。
広井「はいはいはい、忙しい!忙しくてさ!
掃除しねえと怒られちゃうんだよ。7年間も掃除してんだよ、俺?!
ちゃんとやらないとね、親方って言うハゲ坊主に怒られちゃうんですよ」
噂をすれば何とやら(笑)
下手袖より親方登場!
親方「おい広井!」
広井「なんです、親方?」
親方「今、ハゲとかなんとか言ってなかったか?」
広井「言ってませんよ!(張り出し舞台を指さして)ほら、あの辺りがすこしハゲてるって…」
親方「塗りが甘いな…。ってお前な…今頃掃除してても遅いんだよ!」
広井「あの~、あたしが遅刻して10分押しだそうで…」
確かに10分押しでしたよ、この日(初日)。
でも、他の日も遅刻してました(笑)それもネタじゃなくて本当のお話です(爆)
貸切公演の時は劇場前の吉○で牛丼を食べていた為に遅刻したらしいです(^^;)
親方「馬鹿者!そんなことだから7年経っても掃除人なんだよ!」
広井「7年間掃除人…。…お言葉を返すようですが、親方。
親方はいつから親方って呼ばれるようになったんです?」
親方「あ~…」
広井「あ~…、じゃないですよ。親方は、いつ!親方になったんですか?」
親方「い、いつだったかな……忘れちまったな」
広井「何でそういうことを忘れちゃうのかなぁ!ホントになぁ!」
親方「(前に出て)…忘却とは、忘れ去ることなり!ああ、君の名は…!!」
広井「それ『君の名は』、菊田一夫でしょ?それは昭和30年代。今は太正時代だから!」
親方「先取りし過ぎちゃったか、俺!」
広井「先取りも先取り!精々、尾崎紅葉とかその辺にしといてくださいよ!
菊田一夫じゃ新し過ぎる!いけないいけない」
親方「で?」
広井「で?…じゃなくて!
嬉しいとか、良かったなぁって瞬間を、どうしてそういう日のことを忘れちゃうの!?」
親方「…忙しかったから。もう、親方になったら忙しくてな!いろんなことやらなきゃならないし」
広井「忙しいんだ…!解った、解った!良かった俺、掃除人で。
暇で。ね!世の中プロデューサーって人がいるけど、みんな忙しいもんね!
あんなんならなくてよかった、掃除人で!ホントに。暇でいいの俺!」
親方「馬鹿は馬鹿なりに考えてると」
広井「ええ、考えてますよ」
親方「まぁなんだ、人間忙しすぎるってのも問題だよな」
広井「ええ、問題ですよ!
忙しい人間ばっかが増えちゃってね!そういう人が増えちゃうと日本文化が衰退して…。
文化ってのはね、暇人が創るもんなんですから。
見てごらんなさいよこれ!(客席を見渡して)暇人ばっか!!」
親方「いや、そうじゃないだろ!!馬鹿者!
ここにいる皆さんはお忙しい中をいろいろやり繰りして
この花組さんの舞台を見に来てくださってるんだから!」
そうそう、それなりにやり繰りしてきてますよ~(笑)
『すみません、舞台なのでお休みさせて下さい』とは言いませんが、それに近いことは(爆)
チケ大の為にもお休み取ってますが(^^;)
広井「(桟敷席の方に)やり繰りしてきた?(また桟敷の方に)してきた?
あ、やり繰りしてるんだ!!やり繰りして下さってるんですね!!
結構、暇人ばっかりだと思ってた…!」
ちなみに、ここ。勿論、『やり繰りしてない』って答えた方もいらっしゃいますよ(笑)
親方「いやいやいや。皆さんお忙しい中、本当にどうもありがとうございますm(_ _)m」
広井「ありがとうございますm(_ _)m」
親方「この、歌謡ショウからスーパー歌謡ショウへと7年間も続けてこられましたのも、
一重に皆様のご支援の賜物だと思っております。
高い所からでございますが、改めまして御礼申し上げます。本当にどうもありがとうございます!」
広井「どうもありがとうございます!」
親方「…さて!開演に先立ちまして例によっていろいろとご注意がございます」
広井「はい。携帯電話でございますね。
ええ、恒例になっておりますが…まさか、切ってないって方はいらっしゃらないと」
親方「これはもう、いらっしゃらないでしょう」
広井「信じております。ええ。それからですね、ウチワですね。
これこういう風に(顔のすぐ横でバタバタと扇ぐ)扇ぐなんて野暮な事はしないで頂きたい。
下の方から、こう扇いで頂きたいと思います。粋な感じにね。
それと掛け声は短く歯切れよく!(会場のあちこちから「王子!!」)ありがとう!そうです!
それと拍手。こちらも短く切れがよく、セリフに被らないようにお願い致します。
あと、何かありましたっけ?」
親方「ほらテレビじゃないんだから…って」
広井「ああ、そうそう。テレビじゃないんでね、他にお客様もいらっしゃいますから。
舞台に話しかけないように。まだ2、3の方がね。『マリアさん、それは違う!』とかね。
普通の話し声で言ってらっしゃる方がいらっしゃいます。それは心の中でお願い致します。
……というところで、盛り上がってまいりましょう!!」
二人「よろしくお願いします!!」
親方「ということで、最後までごゆっくりお楽しみください!」
広井「お楽しみください!」
礼をしたあと下手袖へと向かう二人。
親方「おい広井!行くぞ!まだ直すところがあるんだよ!!」
広井「直すって今からどうやって直すんだよ!?」
お二人が退かれた後、再び会場に響く開演ブザーの音。
そして、落ちる客電。
勿論、ここで恒例の開演を告げる日替わりアナウンスが流れます。
…と、その前にアドリブ第一弾行かせて頂きます!!
今回は全体を通してアドリブが少ないのでほぼ千穐楽中心で。
何故か拡声器を肩に担いで登場の広井さん。
先ずは自己紹介から。
広井「千穐楽でございます!!ありがとうございます!!
え~…罷り間違って千穐楽に初めて来たというお客様もいらっしゃると思うので、
ご説明申し上げると、あたくし掃除人でございます。
舞台を掃除しないと親方ってハゲ坊主に怒られちゃうんです」
このあと、いつも通りに親方登場。
「張り出し舞台の塗りが甘い」の台詞の後、親方に拡声器を見せる広井さん。
広井「親方、これ懐かしくありませんか?」
親方「ああ、これな…」
広井「実はあたしくしども急に前説というものが始まりまして、7年前ですね。
マイクもございませんでこれで叫んでおりました。
あたくし、何にもございませんで、マイクの用意もありません。
これを急に買って参りまして「皆さま!!」とか叫んでいたんですね。
キーキーキーキーいいながら。
「拍手を短めに~!」とか「携帯電話を切って下さい~!!」とか。いろいろ言ってましたね」
親方「なぁ」
私が初めて歌謡ショウを観た「つばさ」のときにはもうマイクついてましたから、広井さんたちの前説がいかに評判がよかったかってことですね(^^)
7年も続いてるんんですから。
観る側のマナーの問題かもしれませんが(^^;)
このあと「こんなことやってるからおまえはいつまでたっても掃除人~」から「観劇マナー」まで元の会話の流れに。
観劇マナーにこんなことも含まれてました。
広井「それとあと千穐楽のキップしか買わない。これはマナー違反です!
千穐楽は崩れますから、いろいろ」
親方「そ、そうか?(苦笑)」
広井「いろいろと崩れるじゃないですか!その面白さを含めて、では中日を観ておこうとか!」
親方「あぁ、なるほどね」
広井「そういうことが大事なんです!だから、来年からは、最低2回は観ておこうと!
芝居はどう変わるんだ?と!それがやっぱりね、良い観方ですよ」
それを実践してるおかげで毎夏毎冬歌謡ショウ貧乏です(笑)
猿之助さんの公演を最大12回は観たという広井さんには敵いませんが(^^;)
広井「…ということで!今日は千穐楽!」
親方「千穐楽!」
広井「何が起こるか分からない!(笑)」
…と、言ってるそばから何が起こるか分からない!(笑)
公平先生、上手袖より登場!!
田中「いやいやいや…」
広井「ど、どうしたんスか…(汗)」
田中「いやね、今年もオケがないからさ。どうしようかと思って。
さっき下を見たらピアノがあったからさ。(張り出し舞台の下を指差して)
ピアノをちょっと」
『おぉ!!公平先生のピアノが?!』と歓声の会場。
親方「ピアノ用意して!」
広井「あ、はい」
と、広井さんが用意したのは、
広井「…ぴあ!」
そう雑誌を差し出します(笑)
受け取る公平先生。
田中「…って、こんなんで弾けるわけないでしょ!」
親方「広井!ちゃんとピアノ持ってこい!ピアノ!」
広井「はい!」
と、下手袖より広井さんが持ってきたのは何とオモチャのピアノ!(笑)
ところが公平先生は、
田中「広井くんの言ってることは間違いないな」
と、そのピアノを受け取って張り舞台中央に置き、何と!!
ピアノを弾き始めちゃいました。
それも皆さまお馴染み『♪ゲキテイ』のサビ部分を!!
公平先生かっこいい! O(≧∇≦)O
これに驚いたのは広井さん。
本当に弾き始めるとは思っていなかったのでしょう。
鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしてそれを見てました(笑)
田中「ピアノ弾けたから今日はもういいやこれで!
来年こそは!この人(広井さんを指して)にオケ復活を聞いて貰いましょうね」
そして、公平先生上手袖へと退場。
呆然とする、広井さんと親方。
広井「あんな小っちぇので弾けんだねぇ…」
広井さん、ちょっと素に戻ってます(笑)
親方「音が可愛いから思わず振りも何だか可愛くなっちゃうな」
広井「来年から物販で売りましょうか?!ゲキテイピアノっての。ゲキテイしか弾けねぇの!」
人間何がきっかけでアイディアが浮かぶか解らないですね(笑)
親方「良いアイディアだな(笑)何とかしなさい」
広井「はい!って、俺プロデューサーやだよ!?」
…ということころで、前説アドリブ終了です。
では戻って日替わりアナウンスです。
初日は大神さん。
大神「本日は大雨の中、お足下が悪い中、大帝国劇場へご来場賜り、誠にありがとうございます。
帝国歌劇団・花組、7年目の夏。どうぞたっぷりとお楽しみ下さい!
さぁ、幕を上げましょう!」
FC貸切日(19日夜)はカンナさん。
カンナ「本日はお忙しい中、大帝国劇場へご来場たまり…ご来場たまりまり…
ご来場たまりわり…噛んじゃった。誠にありがとうございます。
ありがとうございます。
割れんばかりの拍手をありがとうございます。
ありがとうございます!
帝国歌劇団・花組、7年目の夏。…夏?いや秋?
今年はそんなに暑くない。今日も雨が降ったり止んだり。
どうぞもっこりとお楽しみ下さい。ぴったりと?ちゃっかりと?お楽しみ下さい。
いや、ねっとりとお楽しみ下さい。
(織姫「ぽっちゃりでしょ~!」)
どうぞ、ぽっちゃりとお楽しみ下さい…って、ホントかよ!?
さぁ、幕を上げましょう!」
20日夜は織姫さん。
織姫「チャオ!織姫で~す!
本日はお忙しい中、遠路はるばる大帝国劇場にご来場頂き、誠にありがとうございま~す!
帝国歌劇団・花組、何と7年目の夏で~す!
どうぞ、ぽっちゃりとお楽しみ下さ~いね!
さぁ、幕を上げるで~す!」
千穐楽はかえでさん。
かえで「本日はお暑い中、大帝国劇場へご来場賜り、誠にありがとうございます。
帝国歌劇団・花組、7年目の夏!そして、千穐楽!
どうぞ、たっぷりとお楽しみ下さい。
さぁ、幕を上げましょう!」
☆オープニング☆
アナウンス終了後…。
花組「ビバ!花組スーパー歌謡ショウ!」
花組の声とともに幕上がりますと、そこにはレビュウ服に身を包んだ花組スタアたち!
舞台いっぱいに女性ダンサーさんもたくさんいて、何とも華やいだ雰囲気です。
この雰囲気ですよ!
『嗚呼、今年も大帝国劇場に来ることが出来ました!』と神様に感謝しつつも、目はもう花組さんに釘付けです(笑)
曲は先行アルバムでも1曲目だった『♪七色の虹』です。
♪七色の虹
全員「♪歌は楽しい 七色の虹が Ah~Ah~Ah~
♪舞台と客席に架かる」
回を重ねる毎に、ソロよりもハーモニーが強調されている花組。
回を重ねる毎に熟練度を増す重なる声の素晴らしさにため息が出てしまいます。
『♪七色の虹』も正にそんな曲のひとつではないでしょうか。
上を歌うのはさくら、アイリス、織姫、レニ。
下を歌うのはマリア、紅蘭、カンナです。
マリア・紅蘭・カンナ「♪ああ 素晴らしい この場所」
さくら・アイリス・織姫・レニ「♪ああ 素晴らしい この場所」
マリア・紅蘭・カンナ「♪ああ 素晴らしい このとき」
さくら・アイリス・織姫・レニ「♪ああ 素晴らしい」
さくら・アイリス・織姫・レニ「♪このときが この場所が」
マリア・紅蘭・カンナ「♪Ah~ Ah~」
全員「♪みんな輝く~ 眩しい虹色に~」
全員「♪ここは劇場 全て魔法にかける 虹の夢を今ここに見せよう
♪今日は嬉しい 心うきうきだ Ah~Ah~Ah~
♪今から舞台が始まる」
さぁ、2003年スーパ歌謡ショウ開幕です!!
☆一幕☆
曲終了後、舞台暗転。幕が一旦下ります。
そして、張り出し舞台中央の奈落より上がってくる怪しげな影。
何やら不気味な雰囲気の音楽。
よく見るとそれはいつものスーツの上に黒い布の端を前で結んでマントみたいにして黒サングラスまで掛けてミカン箱らしきものに仁王立ちの上、腕組みしているダンディさん。
ボス「(低く)ふ…ははははははははは!!(高く)はーっはははははは!!俺は怪人黒マント!
今こそこの下町のよいこたちをみーんな攫ってサーカスに売り飛ばしてやる!!
いいな!?子分ども!」
と、いったところで子分たちの反応ナッシング(笑)
ボス、気を取り直してもう一度。
ボス「いいな?!子分ども!…子分ども!いいな?!!」
シーン…。
まだまだ反応なし。
ボス「西村!武田!」
カァーカァーカァー…。(カラスの鳴き声のSE)
ボス「西村くん、武田くん」
西村・武田「はーい!」
ここで客席通路から二人登場、張り出し舞台へ。
西村さんが下手側、武田さんが上手側から登場です。
お二人とも、最初の「いいな?!子分ども!」あたりから客席に潜伏してます(笑)
ボス「お前ら何やってんの?!怪人黒マント様が!(自分を指さして)…俺な?
それが『よいこたちをみんな攫ってサーカスに売り飛ばしてやるぞ!いいな?!子分ども!』
って言ったら、普通子分が『おー!!』って言うでしょ?!」
武田「『言うでしょ?!』って言われたって…。ねぇ!兄貴!」
西村「…そうだよなぁ」
ボス「言うよ!」
西村・武田「言いません!!」
武田「だっておかしいでしょ!仮にも銀座のギャング団、ダンディ・ボスともあろうお方がですよ?!
こーんな原っぱで!
拾ってきた黒布巻き付けて、無駄に良い声で『わぁっ!俺様は怪人黒マントだぞ~!』って…。
どう考えてもおかしい!」
西村「おかしい!」
武田「上から下までいい大人がですよ?!『よいこのみんなを攫ってサーカスに売り飛ばすぞ~!』
あはははははっ」
西村「(手を叩きながら)はははははっ」
ボス「笑うなっ!!!
…だって俺、子供の時に見た紙芝居の
『怪人黒マント~!!ふははははは…!!(黄○バット調(笑))』
今でも好きなんだもん!」
そんなボスに武田。
武田「そういうことじゃないでしょ!いいかい?ボスちゃん」
ベロムーチョってば、”ボスちゃん”ときましたか(笑)
ボス「ボスちゃん…」
武田「子供の頃好きって…。そりゃあ、お父さんもね。
子供の頃好きだった氷イチゴは今でも大好きだよ?
でもね。子供の頃好きだった(腰を振って)『ゾウさんブラブラ~!』って今じゃ出来ないでしょ~?」
『ゾウさん~』はまぁ、解らない方いらっしゃらないと思いますがクレ○ンしんちゃん参照のことで(汗)
っていうか、ベロムーチョっていつからボスのお父さんに(笑)
西村「出来ない!」
ボス「やりゃあいいじゃんか!やれよ!ズボン下ろしてやれよ!ゾウさんブラブラ~って!
何で子供の頃好きだったことが出来なくなっちまうんだ?!理由を述べよ、武田くん!」
ボスの疑問に苦笑する武田。
西村「(手を挙げて)はい!」
ボス「はい、西村くん」
西村「はい!それは大人になったからです!」
武田「そうそうそう!」
ボス「素朴な疑問」
西村「はい。ボス」
ボス「子供はいつ大人になるんだ?何歳だ?何月何日何時何分地球が何回廻った時!?」
懐かしいフレーズですね、何月何日何時何分~って(笑)
ボスの言葉に考え込む二人。
ボス「おい武田!」
武田「はい」
ボス「お前がゾウさんブラブラが最後に出来た日はいつだ?」
武田「へ?」
ボス「『へ?』じゃねぇ。お前はいつ子供から大人になったんだよ!」
武田「それは…」
西村「はい!毛が生えたら大人なんです!!」
武田「そうそう!」
…って、生物学的には間違ってませんがそんな展開でいいんですか?!(^^;)
武田「(ズボンの前を引っ張って覗き込むように)あ!何だこの毛は!珍しい毛だ!」
西村「(同じくズボンの前を引っ張って)あ!僕にも生えた!」
武田「どこどこどこ?!」
西村「ここ、ここ、ここ!」
ボス「(同じく)僕のはまだだ!」
三人とも声高めです…。
三人「あはははは~」
西村・武田「♪チ○○の毛~○○ポの毛~いつ生える~」
ここ、ジングルベルのメロディでお願いします…。
一応、花も恥じらう(ホントかよ…)女子なんですけどね、ワタクシ…(死)
もうほとんど伏せ字の意味ないですけど、広井さんのシナリオを忠実にお伝えしたいということと、伏せてる部分は恥じらいってことで解ってやって下さい(滝汗)
ボス「おい待て。だが何でだ?何で毛なんだよ」
武田「言われてみれば不思議ですねぇ」
西村「謎は深まるばかりだ…」
ボス「答えになってねぇだろ!」
武田「そうです!答えになってません!
たった今、一つの質問が大~きな問題となり問題は深い疑問を生み出し、
まるで雪だるまのように膨れ上がった謎、なぞ、ナゾ!謎として街中を彷徨い続けます!
それは人類の進化の謎そのもののように!!
人はいつ!子供から大人になるのか!?
更に考えれば何故大人になるのか!?
嗚呼!(ボスの足下に座り込んで)ああ~、何故~~だぁ~~~!!!」
西村「(同じくボスの足下に座り込んで)ああ~、何故~~だぁ~~~!!!」
ここで照明が落ち始め奈落も落ち始めます。
ボス「(再び仁王立ちで腕組みして)ああ~、何故~~だぁ~~~!!!」
西村・武田「無駄に良い声だ~~~~!!」
ええ。無駄に良い声です(爆)
そして、舞台は暗転。
紗幕越しにお店が軒を連ねる下町の風景が見えます。
下手より乾物屋、総菜屋、たばこ屋、うなぎ屋。うなぎ屋の横には階段があります。
金魚売りや風鈴売りなど行商の人もいます。
そして、たくさんの人々で賑わっている様子。(静止状態です)
乾物屋の店先に”今戸三丁目”の番地札が。
照明明るくなって紗幕が上がり、金魚やさんの『きんぎょ~え~、きんぎょ~!』の声とともに動き出す人々。
上手端には行水の支度をする男性、下手端には風鈴やがいます。
舞台上は活気に溢れて商店の呼び込みや通行人の声で一気に賑やかになります。
そんな下町の夏に下手袖より登場は織姫さんとアイリスです。
姫は浴衣を、アイリスは夏服を着ています。
アイリス「ねぇ、織姫~!まだぁ?」
アイリスはちょっと疲れ気味の様子。
織姫「えぇ~…(乾物屋にある番地を見て)あ!今戸!この辺りなんだけどなぁ…」
アイリス「何でこんな遠くまでご飯食べに来なくちゃいけないの~?」
織姫「それはね!食事は人生の楽しみの大部分だからで~す!」
意気揚々とそう言う織姫に対してその場にしゃがみ込むアイリス。
アイリス「疲れた…。あつ~い~~!!」
織姫「確かにトーキョーの夏は暑いですね~。でも、ニッポンの夏好きで~す!!」
ここで『♪夏の街角』の前奏が始まります。
織姫「(金魚やを見つけて)あ!金魚!」
金魚や「こりゃあべっぴんさんだ!おまけするぜ!?」
織姫「ホント?!」
金魚や「そっちのお嬢ちゃんも可愛いねぇ!おいで!」
アイリス「うん!」
♪夏の街角
織姫「♪眩しい夏の青空 湧き上がる白い雲 街角の木陰でちょっと一息」
アイリス「♪涼しい風が吹く 路地裏の下駄の音 風鈴が鳴る」
アイリス「♪夏は~」
織姫「♪庭で行水しよう」
アイリス「♪ラララ~」
織姫「♪揃いの浴衣作ろう」
アイリス「♪ラララ~」
織姫「♪井戸でスイカを冷やそう」
アイリス「♪街は~」
織姫「♪夏の彩り~」
織姫「♪夏は~」
アイリス「♪パナマ帽子の紳士」
織姫「♪ラララ~」
アイリス「♪日傘クルリと淑女」
織姫「♪ラララ~」
アイリス「♪おしゃれに街を歩こう」
織姫「♪夏は~~~」
夏の風情たっぷりな東京下町での夏の過ごし方や情景を歌った曲です。
歌詞そのままに舞台が展開されていく感じです。
上記は1番です。
フレーズ「♪庭で行水しよう」に近付くにつれて上手端の行水の支度をしていたお兄さんが最終的にはフンドシ姿になって、そこから近い席の時にちょっとどうしようと思いました(笑)いや、どうもしないんだけど(^^;)
あと、曲の終わり近くで張り出し舞台のところでみんなで線香花火(本物!)をしていたのも印象的です。
ああ、もう随分と花火してないなぁとか思ったり。
曲の終わりを告げるのもこれまた金魚やさんの声。
竿竹やさんの「竿や~~~竿竹~~」の声がしたり。
何だか情緒があっていいなぁ…。
織姫「ニッポンの夏はいいですね~!風情がありま~す!」
アイリス「あ、ねぇ!織姫」
織姫「何ですか?」
アイリス「何で夢の時間は早いの?」
織姫「え?」
アイリス「だって今歌ってたでしょ?♪夢の時間って早いから~って」
織姫「あ~、アイリスが今早口で歌ってたとこですね?」
アイリス「うん」
織姫「そうだ!それは夏が眩しいからで~す!」
アイリス「夏が眩しいとどうして夢の時間が早いの?」
織姫「早いよ早い。だって眩しいんだもん。あっ!という間に目が覚めちゃうでしょ~?
ね!早いんで~す!」
アイリス「あ!早起きしちゃうってことだ~!あぁ、だから夏は疲れるんだぁ…」
織姫「そうで~す!だから週末の土曜日にはウナギを食べるんですね!
土曜のウナギって言うでしょ?」
姫…。読み方合ってるけど字と意味合いがちょっと違うよ(笑)
アイリスが間違って覚えちゃうよ(^^;)
アイリス「そうなんだぁ…」
まぁ、そのうちレニが正しい漢字と意味を教えてくれることでしょう(笑)
織姫「そうで~す!役者はスタミナをつけないとで~すね!
ウナギの美味しいお店あるで~す!そこ行くで~す!」
アイリス「ウナギ!?」
織姫「うん!」
アイリス「ウナギ!?」
織姫「うん!」
アイリス「あ~!ウナギやだ~!ウナギまずい~!」
織姫「確かにフランスやイタリアのウナギはまずいかもしれないけど、
ニッポンのは美味しいで~すよ~?
魚料理は何でもニッポンが世界一なんです~!!
とろけるウナギ…(右の人差し指を頬に当てて上下に動かしながら)ボーノ!」
アイリス「なぁに?ボーノって」
織姫「ボーノって美味しいって意味で~す!やってみて、アイリス。
(先ほどと同じように)ボーノ !」
アイリス「(織姫の真似をしながら)ボーノ…」
織姫「美味しいときはボーノ!」
アイリス「ボーノ!」
織姫「ウナギ、ボーノ!」
アイリス「ウナギ、ボーノ!きゃはっ!…あ、お腹鳴っちゃった」
織姫「ホントだ…。腹ペコリーノ」
アイスクリンや「アイスクリン~!」
織姫「アイスクリンって…アイスジェラートでしょ!!…あった!!」
アイスクリンやに文句を言ったところでお目当ての店を見つけた姫。
アイリス「何?ウナギ?」
織姫「うん!アイリス、知ってましたか?」
アイリス「ん~?」
織姫「関西ではウナギをお腹から裂いて、関東では背中から裂くんだって!」
アイリス「なぁに、それ?」
織姫「うんちく」
アイリス「うんちかぁ!」
織姫「く!うんちく!」
アイリス「うんちくんかぁ!」
織姫「もうっ!!」
二人はうなぎ屋の中へ。
入れ替わって下手より登場の西村・武田、そして金田先生。
何だか騒がしいですね。
武田「先生!ちょっと答えて下さいよ!!」
金田「いや、そんなこと言われたってあたしはでゲスね…」
武田「こうして教えて頂こうと出向いて来たんだって!」
西村「お願いします!!この疑問が解決しないと組に戻れません!」
ダンディ団の二人が何やら金田先生に食い下がっている様子。
周りの人たちも何事かと野次馬よろしく見てます。
金田「ああ、良い機会でゲスな。ついでにそのヤクザな稼業から足を洗っちまったらどうです?」
西村「そんな無責任な…」
金田「当たり前でしょ?あたしがあんたにどうやって責任取るんですか?親でもないのに」
武田「(大声で叫びながら)子供はいつ大人になるんだーーーー!!!!!」
武田のこの言葉に何故かハッとなる周りの人たち(笑)
金田「知りませんっ!」
知らぬ存ぜぬで通そうとする金田先生にとうとう武田。
武田「やいっ!金公!!」
金田「金公?」
武田「ああっ!えらっそうに!たかが花組さんのご用聞き作家だろ?!」
金田「ご用聞き…」
武田「俺たちを半端もんだと思って見下してんだろ?!
(金田先生の胸倉を掴んで)承知しねぇぞ、こら!!」
火事とケンカは江戸の華ってことでますます野次馬が増えます。
金田「いやいやいや!見下してるなんてとんでもありません!ホントに知らないんでゲスから!」
西村「いや嘘だ。
世の中で”先生”と呼ばれている以上、こうした僕たちの素朴な疑問に答えられない訳がない!
きっと僕たちの精神が貧しいからそれで先生は…!」
即否定。しかも”僕たち”って…(笑)
西ヤン、キャラ変わってますよ(爆)
金田「いやいや!違います、違います!いいですか?あのねぇ、あのねぇ!
『子供はいつ大人になるのか?何月何日何時何分地球が何回廻ったとき?』
なんて質問に真っ当に答えられる大人は一人もいません!」
西村「えっ?!」
武田「えっ?!」
町人全員「えぇっーーー!!!」
そこに通りかかったのは親方、そして話の途中で総菜屋から出てきた江戸川先生。
遠巻きにその騒動を何事かと見ていた親方が江戸川先生に気付きます。
親方「あ!江戸川先生!」
江戸川「あ!」
親方「こりゃ何かの特売ですか?」
江戸川「いやケンカだね!」
乾物屋「いや、違いますよ。こりゃ難しい話ですよ!」
総菜屋「てぇへんな話だよな!」
と、周りでいう中、またもや武田。
武田「どうして!どうして答えられる大人は一人もいねぇんだ?!」
金田「あまりに馬鹿馬鹿しい質問だからでゲスよ」
西村「馬鹿って言った!」
武田「言った!」
西村「2回も!」
武田「言った!」
乾物屋「言った!」
総菜屋「言った!」
西村・武田「見下してる!」
乾物屋・総菜屋「してる!」
いつの間にかダンディ団二人だけではなく、その場の町人全員に囲まれることとなった金田先生。
親方も江戸川先生もいつの間にか町人側に。
金田先生の国語講義が始まります。
金田「そうじゃありませんって…。いいですか?
『馬鹿、馬鹿』っていうのと『馬鹿馬鹿しい』とでは意味が違います。
ここに(手でジェスチャーしながら)”しい”というのがついてますねぇ。
これは我々、劇作家仲間で”形容詞”といいます」
武田「給食のカロリー計算するおばちゃん!」
金田「それは栄養士!」
武田「ああ!昔、大和朝廷が中国に出したお遣い!」
金田「それは遣唐使!」
西村「先生、(金田先生の肩を揉みながら)肩凝るでしょう?」
金田「ああ、そういえばねぇ。首の骨が曲がって…って、それは整体師!」
ボケ倒すダンディ団に金田先生。
って、いうか以前の”大化の改新”といい、ベロムーチョって日本史強いですよね(笑)
金田「いいかげんにしなさい!段々、話がずれていくじゃありませんか!
あたしが言いたいのは”形容詞”。
いいですか?この”しい”というのがつくと”~のようだ”ってことになるんだねぇ。
一方、『馬鹿、馬鹿』は強調です。
だから『ああ~!何て馬鹿みたいなんだ!』っていう意味になります。
で、この『馬鹿馬鹿しい』はそのあとの”質問”という言葉にかかっているので、
質問そのものを指し、ある特定の人物を指し示して『馬鹿』と言ったのではないのでゲスよ!」
一同「(感心したように)はぁ~~…!!」
金田「ははははは、解ったかね」
西村・武田「解りません!!」
一同「解りません!!」
金田「…ぶぁか!(馬鹿)」
あれだけ説明したのねぇ(笑)
西村「ぶぁかって言った!」
武田「言った!」
一同「言った!」
金田「もういい!」
そう言って金田先生は行ってしまいます。
入れ替わって張り出し舞台へと出てくるのは江戸川先生。
江戸川「ダメだねぇ!近頃の先生ってもんは!
この方々が聞いてるのに『もういい!』だもの!世も末だわねぇ!」
親方「世も末ですなぁ!」
江戸川「大体、先生と名がつく奴らに一体何が解るの?!大いに疑問!
え?!子供の寝小便が直せるのか?!米がうまく炊けるのか?!
能書きなら富山の薬袋に嫌っていうほど書いてあらぁ!」
親方「なるほどね!」
親方を始め、頷く一同。
西村「ああっ!ここにも先生がいた!江戸川先生!」
江戸川先生に駆け寄る西村に対して武田。
武田「兄貴もういいっしょ?!」
先ほどまでの問答でちょっと疲れた様子。
西村「いや!これは、重大な問題だぞ」
武田「は?」
西村「(張り出し舞台前方で)これが解決したらノーベル賞かもしれないんだ!!」
西村の言葉に『おお!!!』となる一同。
西村「先生!教えて下さい!子供はいつ大人になるんです?!」
江戸川先生の前に座って頭を下げる西村。
それに倣って今まで見ていた聴衆たちもザーッと一気に江戸川先生の前に座って、
一同「子供はいつ大人になるんです?!!」
江戸川「いいでしょう!子供はいつ大人になるかですね!?」
そう言った後、正面のたばこ屋の前に行き何やら台の上に乗る江戸川先生。
江戸川「それは…無限回廊の疑問!
今まで大人たちが気付かない振りをしてやり過ごしてきた物々の本質!」
親方「江戸川先生!子供はいつ大人になるんです?!」
親方を先頭に江戸川先生の周りにしゃがむ一同。
武田「教えてくれ!」
一同「教えて下さい!」
江戸川「ふん!ふん!ふん!それはね…」
…と、江戸川先生の演説が始まろうかというところで舞台照明落ちて紗幕が下ります。
ここで場面も転換。
舞台上、下手側には神谷バー、上手側には『待乳山聖天 コチラ→』と書かれた案内板のついた街灯があります。
さくら「わぁ!浅草はいっぱい人がいますねぇ!」
マリア「そうね。日本一の繁華街だもの」
さくら「ええ!ワクワクしてしまいます!」
と、聞き慣れた声が近くからしたと思ったら何とさくらさんとマリアさん下手側客席通路から登場!
初日、近くで拝見できて嬉しかったです(^^)
マリア「…ねぇ、さくら」
さくら「?はい」
マリア「気のせいかしら、みんなこっち見てる気がするの…」
さくら「そうですか?…!さすがマリアさん!
いつも大勢の人に見られているという緊張感を持って町を歩けってことですね!」
マリア「そうじゃなくてね、さくら」
と、マリアさんが言ってる間にさくらさんは桟敷席横通路から張り出し舞台へ。
マリアも追いかけて張り出し舞台へと。
さくら「えっと、松屋から馬道をまーっすぐ行った、その二天門の先!
言問通りを過ぎて右に曲がればいいんだ!
すぐそこですよ!まつちやましょうでんさまは!
(舞台中央まで歩いたところで)あ…。(案内板を見て)待つ…乳の山?
おっぱいを待ってる…。…子育ての神様ですか?!」
マリア「ち、違うわよ!聖天さまはね、芸能の神様なの」
さくら「そうなんですかぁ…」
仮に子育ての神様だとしても何故二人で祈願に来るのですか、さくらさん(笑)
マリア「…一世一代限り」
さくら「え?」
マリア「本人限りにとっての願いを叶える神様なの」
さくら「え?」
マリア「あ~…、だから~、例えば自分だけがお金持ちになりますようにとか、
自分だけの芸が上達しますようにとか、自分だけの商売が繁盛しますようにとか…」
さくら「…っていうか、何だか自分勝手なお願いを聞く神様なんですね!」
マリア「だからね。チームの結束とか、みんなの健康とか、舞台全体の成功とか。
そういうのは駄目なの」
さくら「そうなんですかぁ…」
マリア「それからね。(ちょっと低い声で)大人しか祈願できないの」
さくら「(ちょっと小声で)何で大人しか駄目なんですか?」
マリア「大人しかお金払えないでしょ?(にっこり)」
マ、マリアさん?(笑)
さくら「(困惑気味の表情で)お金?!」
マリア「ええ。願いが叶ったらね。お礼に来なくちゃいけないの。
(笑顔で低い声で)…お礼参りっていうのよ」
何だか別の意味に聞こえますよ、マリアさん(^^;)
さくら「お礼はお金なんですか?」
マリア「そう。神様はね、お金集めが大好きなの(にっこり)」
今年の新春からこのキャラを確立しつつありますね、マリアさん(爆)
さくら「そぉなんですかぁ?」
マリア「ええ。お金にはね。恨みや憎しみがこびりついてるの。
だから神様はそれを一旦集めて。浄めて、それから慈悲を込めて。また世の中に撒くわけ」
さくら「何だかありがたいようなありがたくないような。
お願いしたいようなお願いしたくないような感じですね!」
マリア「(歩き出して)いいから、行きましょ?」
さくら「(マリアを追いかけて)あ!ちょっと!舞台全体の成功はお願い出来ないんですよね?」
マリア「違うわよ、さくら。まずは今回自分が演る役の祈願をして。
それから別の一般的な神社に花組の『新宝島』が成功しますようにってお願いするの」
さくら「2カ所行くんですね!じゃあ早く行かなくちゃ!
あたしもあたしの役だけが成功しますようにってお願いしなくっちゃ!
…いいんですよね?」
マリア「正しい…(^^)」
…と、二人が聖天さまに向かおうとしたその時!
ベベベベンと鳴り響く三味線の音!!
…待ってました!!!
下手袖より雲国斎先生登場!
雲国斎「♪一年ぶりのご無沙汰でぇ~ちょいと舞台を覗いてみればぁ~」
と、張り出し舞台中央へ。
雲国斎「あ!人だ人だ!凄い人!こんなとこにも人が!
♪人で溢れる歌謡ショウ~~
♪あぁ~嬉しやさくらさん~~
♪あぁ~ありがたやマリアさん~~
♪また今年もみなさんに~会えて嬉しいぃぃぃぃ~~」
流石、今年も良いお声です(^^)
雲国斎「…皆さま方。
いい節が出たときには『名調子!』とこういうことになっております。
合図を出しますので!」
そして、これも『海神別荘』以来、夏の歌謡ショウ名物。
雲国斎さんの浪曲掛け声教室です。
雲国斎「♪会えて嬉しいぃぃぃぃぃぃぃぃ~~~~~(合図)」
名調子!(^0^)
雲国斎「♪桜ぁ~~花ぁぁぁぁ~~~~~」
日本一!(^0^)
雲国斎「(さくらたちの前に来て)いやいやいや、どうも。
今日はちょいとそこの聖天さまにお参りに行こうと思いまして」
マリア「あ!私たちもなんですよ!」
雲国斎「こりゃ奇遇ですな!」
マリア「ご一緒しましょう?」
雲国斎「ぜひぜひ!はははは!」
さくら「先生は何をお願いするんですか?」
雲国斎「実は私。この秋から、かのアメーリカの方に浪曲放浪に行きますんでな。
その成功を祈願に」
マリア「まぁ、素敵!」
さくら「ええ!」
そして、3人はそのまま上手袖へと退場。
舞台暗転します。
そうそう、この雲国斎先生のアメリカへ行かれる話は本当で今年の秋から来年の夏まで行かれるそうです。
雲国斎先生、ご成功をお祈りしてます!!
舞台は暗転したまま祭囃子のような音が。
そこへ?
琴音「…菊之丞」
菊之丞「はい」
琴音「…暗いわね…」
薔薇組、上手側客席通路より登場!
照明ほとんど落ちた状態です(笑)
その状態のまま、客席最前列前通路へ。
張り出し舞台にスポットが当たります。
琴音「ああ。灯りがついたわ。明るいとこ行きましょ…。
よかったわ…大帝国劇場の地下で迷子になったのかと思ったわ。
それにしてもさ、菊之丞」
菊之丞「はい」
琴音「まだなの?」
菊之丞「(辺りを見回して)えぇっと、きっとこの辺りですよ?琴音さん」
琴音「そう?」
菊之丞「はい」
琴音「(桟敷席横通路を歩きながら)でもさぁ、何で今戸なの?」
菊之丞「いえ、狐は今戸だって聞いた覚えがあります」
琴音「ああ、そう」
菊之丞「はい。ああ、でも琴音さん。どうしてお狐様なんです?」
琴音「(張り出し舞台に向かいながら)ああ…。いえね…」
菊之丞「はい」
琴音「今度…あたしの演る役、”木”でしょ?流木でしょ!?
とっても難しい役でしょ?!」
琴音さんは今回、流木(笑)
菊之丞「はい!」
琴音「でね!人間じゃないでしょ!
だからね!あたし、どうやって演ろうかなって一生懸命考えてたわけよ。
そしたらね。昨日の夜、夢に狐が出たのよ」
菊之丞「狐が?」
琴音「『あ、これだ!』ってあたし思ったワケ。何て言うか、狐はこの地にいる地霊。稲荷大明神。
そして、今度あたしが演る役”木”。これも元々、精霊とともに土地を守るものなのよ!
って、いうことわよ。木と狐は相通じているわけよ。
これはお告げに違いない!って、あたしそう思ったわけよ。
だから、お狐様に今度の役の成功を祈願しろってそういう夢だったのよ!」
菊之丞「(張り出し舞台に向かいながら)なるほどねぇ…。
あたしたち、下っ端役者ですものね。大帝国劇場じゃ」
琴音「…何それ?下っ端だからって、端役だからって一生懸命やらなくちゃ駄目でしょ!?」
菊之丞「はい」
琴音「いい?
みんなが自分の役をどうやって存在させようかって考えることが
舞台全体を成功させることに繋がるのよ?!」
菊之丞「はい。そういうことじゃなくて、あの、意味は知りませんが役者の呼称。
隠語なんですよ。”稲荷町”っていうのは下っ端役者のことなんです」
琴音「うんちくはいいから早くお狐様を探しましょうよ!」
張り出し舞台から二人が振り返って紗幕が上がりますと、そこは再び今戸3丁目。
照明も再び明るくなります。
では、江戸川先生の演説へと戻りましょう!
先生の周りには話を聞こうと親方、ダンディ団を始めとする人だかりが。
菊之丞「あ…、琴音さん。あそこに人が…。何でしょう?ちょっと見てきます」
その人だかりに何だろうと覗く菊ちゃん。
琴音「ああ、いいからいいから!そんなことよりお狐様を探しましょうよ!ね!」
琴音さんはそんなことにはお構いなしにお稲荷様を探しています。
菊ちゃんはそのまま聴衆に混ざります。
親方「(立ち上がって)はーい!皆さん、心して聞いて下さい!
この江戸川先生は子供の頃より舞台に立ち!
アメーリカよりミュージカールを輸入された方です!!」
一同「おお!!」
江戸川「ほっ!(クルッと身を翻して)エアプレイ!」
一同「おおお!!!」
親方「はい!はい!はい!人生の先駆者として今その声が高らかに響きます!
さぁ、先生!!!」
っていうか、親方いつから進行役に(笑)
江戸川「だからそもそも大人とは!!」
一同「大人とは?!!」
江戸川「毛があることです!はい!」
江戸川先生の言葉に一同歓声。
ダンディ団の二人は『やっぱり!』と。
親方「(人だかりから抜け出て前へ)ちょ、ちょっ、ちょっと!じゃあ何ですか?!
あっしは(頭を押さえながら)子供ってことですか?!」
江戸川「あ!え?うっ…。例外です!親方は例外!はい!」
一同「ああ、例外!」
武田「おうおうおう!例外はねぇだろ、例外は!ハゲはハゲだろ!?」
一同「(親方を指さして)そうだ!ハゲは!ハゲだ!」
江戸川「で、ですから!(汗)!そう!下の毛!」
一同「え?!」
江戸川「下の毛がある!それが大人!」
江戸川先生までそういう展開にしますか(汗)
一同「下の毛??!」
江戸川「もじゃっとな!」
一同「わぁ!!!」
江戸川先生の発言に歓声というより何やら恥ずかしそうな反応を見せる一同。
その中の一人、山沢さん扮する女学生(教育ママ風眼鏡着用(笑))が前に出てきて注意します。
女学生「それは問題発言です!子供も見てますよ!」
全員「えぇ?!(汗)」
その言葉に慌てて張り出し舞台前方まで走ってくる江戸川先生。
しかも側転しながら(笑)
しゃがみ、客席を覗き込んで。
江戸川「いくつ?!二十八!?もじゃっ。
いくつ?!四つ!?つるっ。
は?!(土下座して)すみません!!聞かなかったことにして下さい!!」
全員で客席に土下座して礼…。
琴音「ええ?!下の毛?!」
菊之丞「いや~ん!!」
琴音「わぁお!」
シーン…(冷)
折角、みんなで謝ったばかりなのにぶり返しちゃ駄目ですよ、二人とも(^^;)
っていうか、ちゃっかり聞いてたんですね(笑)
薔薇組「ごめんなさい…(-。-;)」
気を取り直して。
西村「先生!やはり毛では解決出来ないでしょう!?」
町人からも『そうだ!』の声。
江戸川「(張り出し舞台にしゃがみ込んだまま)うーん…。
毛であるようなないようなその微妙なね…。
うん。機微っていいますか?」
きび 【機微】 表面からは知りにくい微妙な心の動きや物事の趣。(レニ調)
西村「きび?」
一同「きび?!」
みんなの頭が『??』となっているところに…。
「きび!」と、うなぎ屋横の階段上からタイミング良く(?)声がしてきます。
思わず振り向く一同。
聞き覚えのある声だと思ったら、それは千葉助さん。
千葉助「キビ団子はいかが?!」
首からきび団子の入った箱を提げてます。
武田「何だよ!千葉助かよ?!」
親方「ああ!千葉助さん!どうしたんです?紙芝居屋は?」
千葉助「いやぁ!それがさぁ!紙芝居のネタがなくなっちまってね?
今ね、これで食いつないでんのよ。
どうだい?美味しいよ!きび団子!」
そう言う千葉助に一同の反応はゼロ。
千葉助「(親方に小声で)どしたの?」
親方「かくかくしかじかなんですよ!」
千葉助「(あっさりと)ああ、何だよ!そんなこと簡単なことだよう!」
一同「ええっっ!!!!?」
千葉助のこの発言に一斉に顔を上げる一同。
驚く千葉助。
江戸川「み、みなさんっ!こ、ここに心理を言葉として語れる方が登場致しました!!
さぁ、どうぞ!(立て膝で手を前に組んで)救世主様!!」
江戸川先生に倣って全員で手を前に組むポーズを。
千葉助「(自分を指さして)え?!俺?!ち、違うよ!何言ってんだよ!
救世主だなんてそんな!まぁ…救世軍の世話になったことはあるけどな。年末にな」
江戸川「いえ、あなたは今答えが簡単だって言いました~!!」
一同「言った!」
西村「教えて下さい!」
一同「教えて下さい!!」
千葉助「えっ、えっ、何だよ…もう、こそばゆいなぁ…。えっ?
(舞台中央へ歩きながら振り返って)きび…悪いねぇ」
一同「おおお!!!」
江戸川「人生の機微がきび団子に変わり、きび悪い(気味悪い)と落ちた!
韻を!(ドンとしこを踏むように)踏んでいらっしゃる!」
親方「さすがだねぇ!!」
千葉助「え?そうなの?へへっ。
(箱を抱えて)あ!よぉ~~~!!
あ!よぉ~~~~!!!」
それに気をよくした千葉助さん。
何やらジグザグ動きながら張り出し舞台へ移動。
その度に周りから歓声が上がります。
江戸川「きびきびと動いていらっしゃる!!」
一同「おおおお!!!!」
千葉助「(立ち止まりニヤと笑って)きび…しいねぇ」
一同「おおおおおお!!!!!!」
あー…、何だか訳解らないことになってますね(^^;)
それを止めるのは…。
武田「止め!止め!いいから止め!!…おかしい」
一同「ええ?!」
武田「おかしいだろ?!いいか?
俺たちが教えてもらいのは『子供はいつ大人になるか?』ってことで
”きびきび”だとか”きびしい”だとかじゃねぇんだよ」
武田の冷静な突っこみに西村。
西村「待て、武田。きびが二つあるぞ!」
武田「は?」
西村「きびの強調の”きびきび”と更に形容詞”しい”の存在した”きびしい”。
馬鹿馬鹿しいとの関係性は如何に…」
…って、更に前に話が戻ってるじゃないですか!(笑)
武田「(呆れたように)兄貴、しっかりして下さいよ~!」
千葉助「きびすを返す」
この隙にと、文字通り踵を返してさっさとこの場を去ろうとする千葉助。
そうは問屋が卸さない。
江戸川先生に退路を阻まれ、逃亡作戦失敗です。
武田「おい!千葉助!!おめぇ、さっき『簡単だ』って抜かしやがったなぁ!
なら答えてみろよ!!子供はいつ大人になるんだよ!!!?」
千葉助「そ、それはね…」
一同「それは!!?」
千葉助「(退き気味に)いっちょまえに稼げるようになったときですよぉ…」
一同「(感心したように)ああああ!!!!」
千葉助「そ、それじゃ…あっしはこれで…」
納得してる一同を後目にこれ以上は関わりたくないと慌ててその場を去る千葉助。
『なるほどねぇ…』と解決ムードが漂うその場。
琴音「いっちょまえに稼げるようになったときっていうと…。
あたしの場合、十六歳だわ」
菊之丞「あたしは十五歳です」
何となく納得している一同。
それを断ち切るのはまたも…。
武田「ちょっと待った!じゃあ俺はどうなるの?!
俺はブラジルの農園で五歳の時から働いてたんだぜ?!
五歳で大人ってことなの?!」
親方「そういう理屈になりますねぇ」
武田「働いてお金貰ったら大人になるのか?!
じゃあ何か?!俺の子供時代は五年間しかなかったってことなの?!
(地団駄を踏んで)そんなのヤダ~~~~!!!!」
江戸川「馬鹿っ!泣くな!(武田を殴るジェスチャー)ふん!ふん!ふん!
(袖で目を覆って)あたしはね!四つの時から舞台に立ってたのよ!?」
一同「ええ?!」
江戸川「涙の(クルッとターンして)…エアプレイ!」
ここで移動して金魚売りの担ぐ棒をバーに見立てて、
江戸川「(足をかけて)地獄のバーレッスン!
(腕を横に伸ばしながら)アンドゥトロワ!アンドゥトロワ!アンド…とろいわ…」
ここで舞台は暗転。
紗幕下ります。
そして、下手袖より紅蘭とレニが登場。
レニは何やらカート(イベントとかでサークルさんが持ってるようなやつです(笑))を牽いています。
紅蘭「レニはいつから踊っとったん?」
レニ「3歳から」
紅蘭「3歳?!凄いなぁ!それって、お金貰うたってこと?」
レニ「お金を貰ったのは…8歳から」
紅蘭「8歳で木戸銭かいな!凄いな~!」
ちなみに木戸銭とは…
きどせん 【木戸銭】 芝居小屋などの木戸口で支払う入場料。木戸。札銭。(レニ調)
…のことらしいです。
私は初めて知った言い回しでした(恥)
レニ「このミニリヤカー凄いね!こんな所も通れるんだ!」
紅蘭「運べるくん2号、や!」
レニ「へぇ!重い荷物も運べてこんな狭い所も通れるなんて凄いや!
階段…(桟敷席横の階段を降りて)降りられるし!
(階段を上がって)降りられるし、上れるし凄いや!
凄い発明だね、紅蘭!」
紅蘭「おおきに!」
レニ「(舞台中央まで来たところで)紅蘭はいつから発明してんの?」
紅蘭「4歳やったかなぁ?あああ、でもな!
お金貰うたんは時計を修理したときやったから…14歳!」
レニ「へぇ…。世の中の役に立ってお金を貰うなんて凄いや」
紅蘭「へへっ。レニかてそうやろ?」
レニ「踊りは世の中の役には立たない」
紅蘭「そんなことないで!踊りかて凄いやないの!
世の中を幸せにする力があるやない?」
レニ「……(紅蘭をじっと見て)そうかもね」
紅蘭「そうやで!レニは(踊りながら)凄いんやで?」
レニ「ははっ。紅蘭はいいね」
紅蘭「何が?」
レニ「いつも周りを明るくする(^^)」
紅蘭「やだ、もう!!照れるわっ、あはははっ」
紅蘭そう言いながら思いっきりレニの肩をバシッと叩きます(笑)
結構、レニがよろめくぐらい(爆)
レニ「(肩をさすりながら)はははは……。あと何買うんだっけ?」
紅蘭「ええと…(指折り数えながら)ブレーキとオイルとヤスリやね」
レニ「じゃあ早く買って帰ろう?台本読まなくちゃ」
紅蘭「!台本や!はよ行こ!」
…と、上手袖方向へ歩きだしたところへ。
千葉助「え~!きび団子はいかがぁ!」
その声にクルリと振り向いて声のした方に歩き出す紅蘭。
紅蘭「きび団子や!(財布を捜しながら)おっちゃん、なんぼ?」
急ぐんじゃなかったんですか?(笑)
千葉助「え~、おいしいきび団子~!」
レニ「あれ?千葉助さん!」
千葉助「ああ!レニさんに紅蘭さん!」
レニ「こんにちは!」
千葉助「こんにちは!どうしたんですか?こんな下町界隈に。何かご用ですか?」
紅蘭「下町は腕のええ金型の職人はんが多いやろ?そやから光武の部品…」
レニ「工具とか!」
紅蘭「あ!(口を押さえて)」
レニのナイスフォローでセーフ。
最重要機密ですからね(^^;)
レニ「舞台装置の部品とか買いに来たんです。小道具とか」
千葉助「ああ、そりゃてぇへんだねぇ!
しかし、まぁ、大帝国劇場の女優さん自らが工具の買い出しとは…
ん~…(大声で)エライ!!!ねぇ~。エライ」
レニ「どうも…」
千葉助「そうだ、あのね…。こりゃあ図々しいお願いなんですけどね。
え~…、また舞台に立ってみてえなぁって。
今度のお芝居に何か役ないですかねぇ?」
二人「あ~…」
千葉助「いや!贅沢は申しやせん!…人間じゃなくてもいいんです」
あら、言っちゃいましたね?千葉助さん(笑)
紅蘭「分からんけど支配人に聞いてみてあげるわ」
千葉助「ホントに!?ありがとうございます!!
きび団子でしょ?差し上げますよ!」
そう言って箱の中からきび団子(本物)を取り出す千葉助さん。
紅蘭「わぁ!ほんま?」
千葉助「はい!どうぞ」
紅蘭「おおきに!」
千葉助「はいはいはい!レニさんもどうぞ」
レニ「ありがとうございます!」
千葉助「いえいえ。じゃ!まぁひとつよろしくお願い致します」
紅蘭「はいな」
千葉助「じゃ、失礼致しやす」
レニ「さよなら」
千葉助「さよなら!あ~、よかったよかった!」
そう言いながら千葉助さん、桟敷席横通路から客席通路へ。
千葉助「きび団子はいかがでしょうか?(箱を覗き込んで)あ~、残念。売り切れだねぇ」
そのまま客席通路から退場。
その様子を見ていたレニ。
レニ「千葉助さんって…紙芝居屋じゃなかったっけ?」
何だか千葉助さんが気になる様子。
一方、紅蘭は。
紅蘭「(きび団子を食べながら)このきび団子美味しい」
マイペースに貰ったきび団子を食べてます(笑)
レニ「やめちゃったのかなぁ…?」
紅蘭「このやわらかさがええんやなぁ」
そんな紅蘭にレニ。
レニ「紅蘭はそういうことは気にならない?」
紅蘭「いや、きな粉や!きな粉がええんやわ!」
気に…ならないようですね(笑)
レニ「ははっ、早く買って帰ろうか!」
紅蘭「うん!」
紅蘭はきび団子を食べながらそのまま上手袖へと退場。
レニ「(きび団子を食べて)ん!…美味しい」
レニもそのまま退場。
カンナさん以外で食べ物があるのは珍しいですね。
新春ではみんな無理矢理食べさせられてましたが(笑)
紗幕が再び上がって、そこはまたまた今戸3丁目。
『子供はいつ大人になるのか?』その答えが出せずに考え過ぎてすっかり疲れ切ってる一同。
その場にしゃがみ込んでたり、店先に寝ていたり疲労困憊と言った感じ。
そこにうなぎ屋からアイリスと織姫が出て来ます。
織姫「ああ!お腹いーっぱい!気持ちいっぱーい!」
アイリス「フォアグラみたいだったね~!!」
織姫「(周囲の状況に)うわ、何だこれ?!」
驚く二人。
そこに総菜屋の店先に寝そべっていた武田が起き上がって、
武田「おい、おめぇら!」
織姫「ベロ?!」
織姫さん、間違いじゃないと思うけどベロって…(笑)
しかし、武田は織姫たちに気付いてない様子。
武田「(前に出て)いつまで考えてんだよ?!一体、子供はいつ大人になんだ?!
この答え解ったやつ!!」
薔薇組「(手を挙げて)ふぁ~い」
武田「はい!おい、あくびかよ!」
武田の問いを聞いて勢いよく手を挙げる織姫さん。
織姫「はい!」
武田「はい!って、織姫さんかよ…」
織姫「はい!パスタがちゃんと茹でられるようになったら大人で~す!」
あ、何だか伊太利亜っぽいですね。
武田「(軽く流すように)はいはい」
織姫「何だよ~」
アイリス「は~い!」
武田「はい、アイリスちゃん」
アイリス「アイリスは大人だよ?」
武田「(アイリスの頭を撫でて)はい、いい子だね~」
武田、二人を完全スルー。
武田「おい!答えられる大人はいねぇのかよ?!ったくよ~、情けないねぇ!もう!」
ここで姫、改めて。
織姫「(菊之丞に)これ何の集会ですか~?」
菊之丞「エアプレイが、もじゃで、きびし~っていう…」
アイリス「そ~なんだぁ。ずいぶん、むずかしいこと考えてんだねぇ」
今の説明で解るんだ…(笑)
そこに何やら暗雲が立ち込めます。
スーツに眼鏡のインテリやくざ風の男と大きな木槌を持った半纏の男が二人、下手より登場。
子分1「兄貴!ここっすよ、ここ!」
スーツの男「はい。ここからここね!やってちょうだい」
子分たち「へい!」
そう言ったかと思ったらいきなり乾物屋の店先に木槌を下ろす男たち。
何事かと慌てて離れる町人たち。
乾物屋「何しやがる!!」
『止めろ!』と掴みかかる乾物屋の前に何やら紙切れを突きつけるスーツの男。
スーツの男「はい、これ。東京撤去許可局許可証(とうきょうてっきょきょかきょくきょかしょう)ね」
はい。言ってみましょう。
とうきょうてっきょきょきゃきょく…うう、何だか、舌噛みそうですね…(^^;)
乾物屋「東京撤去許可局許可証?!」
一同「東京撤去許可局許可証?!」
いきなりの横暴を許す花組ではありません。
つかつかと前に出る織姫。
織姫「ちょっと待ち~!!いきなり人様の家壊すのよくないで~す!」
アイリス「そうだよ!大人のすることじゃないよ!」
そんな織姫たちを鼻で笑って。
スーツの男「はい!やって!」
子分たち「へい!」
織姫「こら~!」
親方「あんたたち何とかしなさいよ、専門家でしょ!」
と、親方に促されて前に出てくる西村・武田。
西村「おい君たち、やめなさい」
スーツの男「これはこれは…ダンディさんとこの子分衆じゃありませんか?」
西村「おたくは?」
スーツの男「私、東京連合のタマキと申します」
組の名前を聞いて『まずい…』と顔を合わせる西村と武田。
力関係は向こうの方が上だったようです。
タマキ「どうぞお控ぇなすって!」
西村「へい!」
タマキ「早速のお控ぇありがとうございやす。
手前ども故あってこの土地の地上げを預かることとなりました。
どうぞよろしくお願いします」
西村「相解りました。失礼します!」
逃げるようにそこから立ち去る西村、武田。
上手側桟敷席通路にしゃがみます。
西村たちの態度に騒然となるその場。
タマキ「いいぞ~!」
子分たち「へい!」
ガン!ガン!ガン!と非情に乾物屋の店先に打ち付けられる木槌の音。
瞬く間に家が前に崩れ、半壊状態に。
乾物屋「俺の店が~~~!!!」
タマキ「商店街全部ぶっ壊せよ?ここいらはでっかいビルになるんだ。
地主さんからの承諾は得てるんだからな!」
織姫「地主が承諾すれば何をしてもいいってわけ?
それなら地主の土地はそもそも誰の物?!
ねぇ!この地球は誰の物ですか!!」
アイリス・菊之丞「そうだーー!!」
織姫「今すぐ止めなさい!このアンポンタンー-!!」
アイリス「アンポンタンーー!!」
子分1「んだと!このアマ!」
子分2「ぶっ殺すぞ!」
子分たちが今にも木槌を振り上げようとしたその時!
半壊した乾物屋の裏から鳴り響く一発の銃声!!
マリア「お待ちなさい!」
西村「(桟敷席横通路から)いよっ!」
武田「(同じく桟敷席横から)待ってました!!」
ベベベベベンと三味線の音とともにピタッと見栄を張って登場はさくらさんにマリアさん!!!
三味線は勿論、雲国斎先生。
マリア「(前に出ながら)随分、あこぎな真似してくれるじゃないの。
お天道様が許してもこのマリア様が黙っちゃいないわよ」
おお!金さんですか、マリアさん!!(笑)
アイリス「(嬉しそうに)マリア!」
タマキ「何だ?お前。…おい、やれ!」
子分たち「へい!」
ケンカ売らない方が賢明だと思いますよ~?
特にマリアさんには(^^;)
雲国斎さんの三味線鳴り響く中、木槌から刀に持ち替えた子分たち対さくら・マリア・織姫です。
勿論、花組の絶対優勢。
それを打ち破るは?
タマキ「待て!そこまでだ!」
江戸川先生に銃を突きつけるタマキ。
江戸川「ひっ…!そ、そこまでよ……!!」
タマキ「(マリアに)おい、その銃捨てろ!」
江戸川「す、捨てて…!」
タマキ「さもないとこいつを…」
江戸川「お、お願い…っ。す、捨てて…っ!すーてーてーーーー!!」
人質がいたのでは手出しが出来ません。
仕方なくマリアは銃を下に置き、タマキの方へ滑らせます。
タマキはマリアの滑らせたその銃を踏みつけると、今度は銃口をマリアへ。
タマキ「姉ちゃん、死ねや!」
マリア絶体絶命のピンチ!
それを救うは…!!
アイリス「ジャンポールーーーー!!!!」
咄嗟に霊力でジャンポールを宙に浮かせるアイリス。
不可思議なその現象に見入る人々。
その隙にクルッと一回転してタマキの足下から銃を奪うマリア。
タマキの手元に発砲してタマキの銃を弾き飛ばします。
タマキの手元を離れた銃を琴音さんが空中で受け取り、逆にタマキに銃を突きつけます。
あっという間の形勢逆転!!!
とりを飾るはさくらさん!
さくら「ふっ!」
子分の刀を奪い、子分を踏みつけ…、
さくら「やいやい!江戸の花火は厄払い!
言わずと知れた花組が!向こう三軒両隣!合わせて守る桜花!
火花散らして切り結ぶ、野暮はおよしと、どこ吹く風が隅田の川を渡りきる!
どうせヤクザの博打打ち!賽の河原も渡らせましょか!
ここを冥土の今戸橋!!」
キリキリキリキリと雲国斎さんの三味線の音!
さくら「ばっさり斬ります!こんこんちき!!」
よっ!さくらっ!
西村・武田「さくらっ!日本一!」
親方「やったぁ!」
やっぱり、花組さんを敵に回しちゃあいけません。
勧善懲悪なのですよ(^^)
マリア、銃を懐にしまってから『参りました』と項垂れているタマキの元へ。
マリア「(手を差し出して)…東京撤去許可局許可証」
タマキ「え?」
マリア「東京撤去許可局許可証を出しなさい」
ちなみにマリアさん。
この『東京撤去~』云々を20夜、楽日ともに噛んでました(笑)
タマキ「え、えっと、ど、どこにしまったかな」
マリア「撃つわよ?」
タマキ「(慌てて差し出して)はい!!」
マリア、タマキから許可証を受け取るとビリビリとそれを破きます。
タマキ「ああっ…」
マリア「もうこの界隈をうろつかないでね」
タマキ「はい…」
マリア「西村!」
西村「(立ち上がって)はい!」
マリア「あなたが証人よ。あなた方は一度口に出した約束は絶対に破らないのよね?」
西村「(武田とともに舞台まで上がってきて)はい!!」
マリア「もし破ったらどうなるのかしら?」
西村「(指を鳴らしながら)そりゃ、もう大変でしょうねぇ!」
武田「(子分たちの頭を両手で押さえながら)東京湾にブクブクブクブク!」
それを聞いて慌てるタマキたち。
タマキ「わかったっ!約束するっ!」
マリア「さぁ…、さっさと行きなさい(冷笑)」
タマキ「はい!(子分たちに)き、君たち帰るよ!?失礼します~~~」
こんな所に長居は無用と慌てて帰ろうとするタマキ。
さくら「ね!忘れ物!」
と、抜いたままの刀をそんなタマキに投げ渡すさくら。
タマキ「(受け取って)ありがとうございます~。いって~~~!!」
そりゃあ、刃の部分持てばねぇ…。
その上、ステンと転ぶは踏んだり蹴ったりでタマキたち退散。
笑顔の出る一同。
それを代弁するのは雲国斎先生。
雲国斎「♪ああ~すっきりしましたよ~~!!
ヤクザのルールにはヤクザのルールで対抗しようっていう
その根性があたしゃ気に入りましたよ!」
マリア「それ誉めてます?(苦笑)」
雲国斎「はい!」
織姫「でも…この壊れた家はどうするで~すか…?」
織姫の言葉にみなで一斉に乾物屋を見ます。
さくら「あ……」
マリア「そうね……」
乾物屋「…べらぼうめぇ!家なんかなくなったて商売(しょうべぇ)くれえやってけらぁ!
こんちくしょう!あ~あ、家がなくなって清々した!
これで涼しくていいじゃねぇか!」
乾物屋の言葉も強がりにしか聞こえず、虚しく響きます。
シーンとなるその場。
乾物屋「…なんでぇ!(泣くのを我慢して頭を下げて)こちとら江戸っ子でぇ…!」
さくら「いくら夏でも家がなくちゃあ…」
江戸川「ええええい!分かりました!この江戸川夢声が一肌脱ぎましょう!
(懐から財布を取り出して)ここに!一千圓あります!
これを催促なしでお貸し致しましょう!」
一同「えええええっ!!?」
江戸川先生の提案に一番驚いたのは当の乾物屋。
家一軒建ってしまうほどの大金ですものね(^^;)
乾物屋「いや先生!滅相もねぇこんな大金(てぇきん)!!」
江戸川「いえいえ、これはご贔屓筋から戴いた言わばあぶく銭です!
何かの役に立つなら生きた金になる!さぁ!」
さぁ!さぁ!と飛び上がるように乾物屋に財布を差し出す江戸川先生。
ここまでされては受け取るのが礼儀というか何というか…。
乾物屋「(財布を受け取って)ありがとうございやす!!」
江戸川「(見得を切って)金は天下のあ!回りも…あ!」
見えを切ったところでグキッと首が回らなくなる江戸川先生(笑)
さくら「先生、ご立派!」
織姫「よかったですね!」
武田「いや~大人だ!!大人?」
江戸川先生の行いに円満ムードが漂っていた一同でしたが?
武田「……あーーー!!!!」
…思い出しちゃいましたね。元々の本題を(^^;)
マリア「なぁに?まだ何かあるの?」
アイリス「あ!あの!『子供はいつ大人になるのか?』ってみーんなで考えてたの!」
『そうだった、そうだった!』と周りの人たち。
武田「答えが出ねぇんですよ!
もう大の大人がこんなにがん首並べてるってのに情けねぇったらありゃしない!」
親方「武田さんだって解らないんでしょ!」
武田「面目ねぇ…」
さくら「難しい問題ですね。子供はいつ大人になるのか…」
さくらも一緒になって考え始めたところで、
マリア「なぁんだ。そんなこと?」
一同「ええええええっ!!!!?」
マリアの言葉に驚きを隠せない一同。
そりゃ驚きますよね。誰も解らなかったのにあっさりそう言うんですもの。
武田「教えて下さい!(跪いて十字を切って)マリア様!」
マリア以外全員「(武田に倣って同様に)マリア様!!」
マリア「それは……」
直後に変わるライティング。
それはまるで今年の新春の再来であるかのよう(笑)
キラキラと輝いています。BGMもそんな感じのキラキラしたような音。
一同「それは?!!!」
マリア「(ちょっと夢見心地に)それは…(気障っぽい感じで)愛の意味を知ったときかな…」
武田「!愛の意味?!」
一同「!愛の意味?!!!」
マリア「(うっとりと)恋に恋する時代を過ぎて、愛に悩み!苦しみ!
深~い愛の意味が解ると子供たちは天使の翼を落として大人になるの」
さくら「何だかロマンチックですね!…深い愛!」
ここで照明は元通りに。
一同「深い愛!!!」
武田「おい、みんな!聞いたか!!!愛だ!深い、愛だぞーーー!!!!」
ようやく解けたその謎に町人たちも「わぁぁぁ!!!!」と大喜び。
「どれくらいの深さかなぁ…」「これくらいじゃない?」なんて会話が始まり、終いには、
「あ!それ!浅い川!あ!それ!深い川!」
と、歌い出してしまいました。
それを止めるはやはりこの人。
武田「止め止め止め!」
そして、再び確認するように、
武田「解りました、マリア様。愛なんですね?深い愛を知ること」
マリア「(手を前に出して)そうよ…」
再び、「マリア様!」と歓声が上がる一同。
ホントに何かの集会ちっくですね(^^;)
武田「(立ち上がって)!そうだ!この事を早速ボスに教えに行かなくちゃ!
じゃ、あっしはこれで!せりゃ~~!!」
西村「待て、武田!
(両手で髪を軽くかきあげる仕草をして)僕も行こうっ!
(走りながら)武田く~~ん!!」
ダンディ団の二人が去ってなお、ざわざわと落ち着かないその場。
何とはなしに店の並びを見ていた菊ちゃんでしたがたばこ屋とうなぎ屋との間に小さなお社を発見しました。
菊之丞「あーーーー!!琴音さん、琴音さん!ありました!!お狐様が!」
こちらも本来の目的を思い出したようです(笑)
琴音「…は!忘れてた!そうよね!あたしたち、お狐様に祈願に来たのよね?!」
菊之丞「はい!」
二人でお社の前に立ちパンパンと手を叩きます。
琴音「ええと…今度のあたくしの役、流木がうまくいって花組さんのお役に立てますように…」
薔薇組を見てさくらさんたちも。
さくら「マリアさん、あたしたちも舞台の成功をお祈りしましょう!」
マリア「ええ、そうね」
その言葉で織姫とアイリス、親方、江戸川先生、雲国斎先生も一緒に。
帝劇関係者「(パン!パン!)『新宝島』が大成功しますように!!」
マリア「じゃ、私たちも劇場に戻りましょう」
アイリス「うん!お稽古お稽古!」
と、帝劇に戻ろうかという面々。
そんな様子をじっと見ていた町の人。
とうとう…
「あーーー!!やっぱり花組さんだぁ!!!」
と、気付かれてしまいました。
あっという間に人だかりが出来るお社の前。
対応に追われる花組。
そんな大混乱の中、すーっとそこから抜け出したさくらさんと雲国斎先生。
二人を残して紗幕下ります。
張り出し舞台には奈落に当たる部分に腰掛けが。
周囲はいつの間にか夕焼けに赤く染まり、雲国斎先生は夕日に見とれています。
その雲国斎先生を見つめるさくらさん。
しばらくそんな何とも言えない静かな時間が流れます。
はたと、さくらさんに気付く雲国斎先生。
雲国斎「あ!見事な夕日ですねぇ!」
さくら「ホント…綺麗ですね…」
雲国斎「日本の情緒っていうんでしょうか。いいもんですねぇ…」
ここで二人は張り出し舞台へ。
並んで腰掛けます。
さくら「ねぇ、先生?」
雲国斎「は?」
さくら「ホントに九月に亜米利加に行っちゃうんですか?」
雲国斎「ははははっ。ま、武者修行みたいなもんですかな」
さくら「どれくらい?」
雲国斎「一年間」
さくら「日本が恋しくならないかなぁ?」
雲国斎「まぁ、そりゃあなるでしょうねぇ…。
でも子供の頃からの夢だったんです。その夢がやっと実現出来るんです。
アメーリカの野郎どもにこの(三味線をポンと叩いて)日本の古典芸能の良さを
聴かしてやれる」
さくら「はい!その心意気が凄いわ!」
雲国斎「いえいえ。……あの…一曲歌ってくれませんか?」
さくら「え?!」
雲国斎「いえ、あの、日本の…思い出にしたいんですよ。…さくらさんの歌を」
さくら「……はい」
さくらが頷いたのを見て三味線を弾き始める雲国斎先生。
♪サンセットサマー
さくら「♪真夏の日差しが傾いて 薄桃色のランデヴー
♪うー サンセットサマー うー サンセットサマー」
間奏には三味線のソロも。
腰掛けの上に乗り、ギターのごとく三味線をかき鳴らす雲国斎先生。
かっこよかったです!!
さくら「♪ああああ 夏よ 夏よ 新しい夏」
雲国斎「♪ああああ 夏よ 夏よ」
さくら「♪ああ 過ぎ去れば 胸に熱く薫る」
二人「「♪うーううううー サンセットサマー
うーううううー サンセットサマー」
歌いながら、張り出し舞台奈落部分へ。
ゆっくりと奈落が降りていきます。
ここで場面転換。
紗幕が上がりますと、上手側に置かれた”更衣室”と書かれたボックスのようなところから「♪ダンディ」のメロディとともに、何やら全身ピッタリとした服に着替えたボスが出て来ます。
いつもの白いジャケットは手に持っています。
ボス「お待たせしました!」
そこは大帝国劇場のお稽古場か何かなのでしょうか。
上手側ちょっと奥には大きいテーブルが。
テーブル付近に上手からダークブラウン(に見えました)のスーツに身を包んだ女性(スカートには五線と音符がデザインされてます)、2人の男性ダンサー、大神さん。
舞台中央で椅子に座っているカンナさん。
カンナさんの正面ほどにかえでさんがいます。
みな、手には黒の表紙の台本らしきものを持っています。
かえで「(ボスのかっこを見て)まぁ!気合いが入ってますね!ダンディさん」
ボス「はい!」
かえで「はい。それじゃ、えっと台本の99頁。大神くんの台詞から行きましょう」
大神「はい!(小道具の刀を手にして意気揚々と)…海賊王ビリーは世界一だ!」
かえで「(小道具のジョッキを掲げて)さぁ!海賊王ビリー様に乾杯だ!」
男性陣「乾杯だ!!」
カンナ「(椅子の上に立ち上がって)♪おれさっまは~かいぞっくおうだぁ~
っあ!よっのなっかのぉ~」
妙にこぶしがまわってます。
よって客席の手拍子も『パパ!パン!』それに合わせる感じ。
そんなカンナの歌を中断させるスーツの女性。
女性「カンナさん!そんなにこぶしをまわさないでちょうだいね。
それから、音程に気を付けて」
カンナ「あの~、横道それ子先生よぅ」
…と、いうわけでスーツの女性は新キャラ、花組の歌唱指導の横道それ子先生です。
演じられるのは実際にも花組の歌唱指導をされている横山美奈さん。
プロのオペラ歌手をされている方で、智佐さんのお姉さんです。
ラジオにもご姉妹で出演されたり、一緒にアニメ映画の主題歌を歌ったりされているのでご存知の方も多いのではないでしょうか。
…それにしても、また強烈なネーミング。さすが広井さん(笑)
横道「はい」
カンナ「この最初の歌い出し部分の『おれさま』の歌い方がよく解んねぇんだよ」
横道「解らないかしらねぇ?それでは、わたくし横道それ子が歌ってお教え致しましょう!
(前に出て)♪お~~れ~~さ~まは~~かいぞ~くおうだ~~~~あ~~~
あ~~~~~あ~~~~~~~あ~~~はああ~~~~~~~~」
オペラです!!凄いです!!!
どこまで息が続くんだろうって感じです!!!!
カンナ「おい!今のオペラだろ?!あたいにそんなこと出来るわけねぇだろうよ!」
横道「あのね!歌い方じゃないのよ?歌はね、ハート!それから音程。解ったわね?」
カンナ「何だかなぁ…」
かえで「さ、カンナ!もう一度やってみましょう」
カンナ「は~い」
かえで「さぁ!海賊王ビリー様に乾杯だ!」
男性陣「乾杯~~!!」
カンナ「♪おれさっまはぁ~ っあ!かいぞっくおうだ~~」
って、カンナさん直ってませんよ(笑)
横道「カンナさん!」
カンナ「♪っあ!よっのなっかの~~」
横道「カンナさん!さっきと変わってないわ。
あなたね、三・連・符…ってご存知かしら?」
カンナ「いや知らねぇ!」
横道「♪お~れさまは~…はい!」
カンナ「♪おれさまは~」
横道「♪お~れさまは~」
カンナ「♪おれさまは~」
横道「♪お~れさまは~」
カンナ「♪おれさまは~」
横道「♪お~れさまは~!!」
カンナ「♪おれさまは~!!」
二人とも顔を突き合わせて、もうケンカ腰です(^^;)
最終的には訳解らなくなり、横道先生が泣き出してしまいます。
カンナは『もういい!』と言わんばかりに台本を投げ出す始末。
そんなカンナに大神さん。
大神「カンナ、駄目だよ!物事を中途半端に投げ出すのは良くないぞ!」
その言葉にふいと顔を背けるカンナ。
そこに買い物から帰ってきた紅蘭が登場。
紅蘭「ただいま~!あ、横道先生!お久しぶりです~。
歌の指導に来てくれっはったん?」
紅蘭の言葉に再び泣き出す横道先生。
かえで「(先生の様子に苦笑して)今回の『新宝島』歌が多いでしょ?だから…」
紅蘭「ああ!」
と、紅蘭頷いたところで台本をじっと見ていたボス。
ボス「♪お~れさまは~海賊王だ~
♪海賊だ」
大神・ダンサー「おう!」
ボス「♪海賊だ」
大神・ダンサー「おう!」
見事に歌い上げるボス。
横道「まぁ~~!!素晴らしい!!」
大神「(カンナの肩に手を置きながら)凄いね、ダンディさん!」
みんなで拍手。
しかし、カンナは面白くなさそうにそっぽを向いています。
紅蘭「って、何でダンディさんがおるん?」
大神「またお願いしたんだよ」
紅蘭「そうなん!」
ダンディ「(頭を下げて)お世話になります」
カンナ「だけどさ、花組もよっぽど人手不足なんだね~。こんなやつ入れてよう!」
かえで「そうじゃないわ、カンナ。ダンディさん才能があるじゃない?
だからお願いしたのよ?」
カンナ「かえでさん、何もギャングにお願いしなくたっていいんじゃねぇか?」
かえで「(怒ったように)!カンナ…!」
紅蘭「カンナはん!それは言い過ぎや!」
このカンナの発言にボス。
座っているカンナの所まで行ってしゃがみ…
ボス「(台本をカンナに差し出して)カンナさん。
(頭を下げて)申し訳…ありやせんでした」
そして、立ち上がり稽古場を出ようとするボス。
かえで「ダンディさん!」
ボス「いやぁ!花組さんの舞台にまた出られるのかと思うとガキみてぇに嬉しくなっちまって…。
原っぱで練習なんかしちゃいましてね。出しゃばりすぎやした…。では、これで」
頭を下げて出て行こうとするダンディを引き留めるのは…。
カンナ「ちょっと待った、ダンディさん!」
ボス「へい!」
カンナ「(立ち上がってダンディの所まで行き)いや…、悪かった。まず謝る!この通りだ!」
ボス「い、いえ!」
カンナ「歌が解らなくて、くさくさしてた…。で、あんたに八つ当たりだ。
ホント、みっともねぇな…。ごめんよ」
ボス「滅相もない!…だって、ギャングですから」
カンナ「関係ねぇよ!政治家にだって悪い奴はいる。ギャングにだって良い奴はいる!
そういうことだ。ギャングが歌って何が悪い!?なぁ、みんな!なぁ、そうだろ!」
頷く一同。
カンナ「な!な!さぁ、一緒に稽古しようぜ!な!」
ボス「…ありがとうございやす!」
そんなカンナの様子にかえでさん。
かえで「大人んなったわねぇ!カンナ!」
カンナ「そりゃ、大人だよ?!2メートルだかんね!」
かえで「そういうことじゃないの!
自分からちゃんと『ごめんなさい』って言えるその態度が大人だってことよ!」
カンナ「そうか?」
大神「そうだよ」
ボス「ああ、そうか!そうなんですね!大人ってのはきちんと謝れることなんですね!」
そういえば、元々はボスが言い出したんでしたっけ…。
『子供はいつ大人になるのか?』
ちゃんと覚えてたんですね(笑)
カンナ「何だよ?いきなり感動してよ」
ボス「ああ、これでいろんな疑問が吹っ飛びました!」
カンナ「ああ?」
ボス「カンナさんのおかげだ!いや、えらいんだなぁ!カンナさんって!」
これに便乗してダンサー二人もカンナさんを盛り立てます。
ダンサー1「もうエライっス!」
ダンサー2「カンナさん最高っス!」
ボス「えらい!」
勿論、悪い気はしないけど、照れ臭そうなカンナ。
カンナ「え?え?そんなに誉めんなよ!あたいは頭悪いんだからよ!
ああ、ああ!紅蘭紅蘭!何だ、頭がスコーンって良くなっちゃう発明ねぇのかよ?!」
紅蘭「ありますよ~?回転よしよしくん2号ーーー!!」
ちゃららちゃっちゃっちゃ~ん!(発明品登場のSE)
紅蘭「っちゅうのがあったんやけどな。昨日爆発してもうてん(泣)」
カンナ「なんだよ~」
残念でした。紅蘭の発明品見られず。
と、そこに陣中お見舞いの西瓜を持って上手より金田先生登場。
金田「こんにちは!お暑うございます!」
紅蘭「金田先生!」
金田「いやいや、稽古白熱しておりますな!
これ、お土産の夕張スイカ」
かえで「夕張スイカ!」
先生、夕張スイカって(笑)
金田「いやいや、皆さんお揃いで!
あ!こりゃ、誰かと思ったら横道たれ子先生!」
横道「たれておりません!たれて!
ほら、(スカートの音符を指して)そ、れ、子」
金田「ああ、それ子先生!いやいや、それは失礼しました!
ああ~、『新宝島』いやぁ楽しみでゲスなぁ!
あたくしね、渾身の力でもって書かせて頂きました、はい!」
カンナ「(台本を手に金田先生に近付いて)金田先生よぅ!」
金田「はい」
カンナ「あんたが書いたこの台本。デタラメだな!」
紅蘭「カンナはん?!」
金田「カンナさん、そりゃひどいでゲスよ」
カンナ「ひどいのはこの台本だよ!原作の宝島と全然違うじゃねぇか!これ!」
かえで「…カンナ。その台本はねぇ、パロディなのよ?」
カンナ「パァンティなの?」
かえで「…パロディ!」
カンナ「ポロリ~?」
かえで「パロディ!」
カンナ「ベロリ~、ベロリ~、ベロベロリ~」
かえで「(カンナから顔を背けて)…………」
カンナ「…ごめんなさい」
金田「はっはっはっはっ!よろしいですか?
これはですね、そもそも本歌取りとも言いましてね。
歌舞伎の手法でゲスなぁ。
歌舞伎は元になる台本をどんどん書き換えるんでゲスよ。
例えば『忠臣蔵』は時代を室町時代に移しましてね。
大石内蔵助は大星由良之助(おおぼしゆらのすけ)、
吉良上野介は高師直(こうのもろなお)と変えましてね。
更に先月の歌舞伎座ご覧になりましたか?『四谷怪談忠臣蔵』でゲスよ!
『四谷怪談』と『忠臣蔵』が合体してました!まぁ、こんなことはざらにありましてね。
実はこのパロディ精神こそが日本の芸能を拡げ、
またそれを楽しむ大人たちがたくさんいたからこそ、
日本の芸能は世界に燦然と輝いているわけでありますなぁ!」
カンナ「はぁ…。難しいんだなぁ~。
おい、紅蘭。頭の良くなる薬くれ」
紅蘭「ない!」
カンナ「駄目か…」
かえで「あのね、カンナ。頭が良くなりたかったら、まず勉強!」
カンナ「勉強かぁ…。苦手だなぁ…」
かえで「地道に努力しないから駄目なのよ?」
カンナ「努力はもっと無理かも」
そう即答するそのカンナらしさに笑う一同。
かえで「そう言わないの。いい?カンナ。まず予習する!」
横道「(かえでの言葉にそうねと頷いて)予習!」
かえで「(頷いて)そう!そしたら、復習ね」
紅蘭「(同じく頷いて)復習!」
かえで「メモ書きも大切だわ!」
大神「(そうか!と頷いて)メモ書き!」
金田「なぁるほど!」
かえで「そう文字にして書くの!指先と脳髄は繋がってるのよ?脳を鍛えるにはまず指先から!」
♪予習復習メモ書き勉強
かえで先生の勉強のやり方講座です。
カンナさんはイヤそうな顔してますけどね(笑)
かえで「♪予習復習メモ書き勉強 やり方なんかたくさんあるの」
ここで黒板が登場。(奥の壁を裏返すと黒板に)
かえで「まずは何をやるか書き出して、それから書いたものを読んでみる!」
カンナさんが黒板に単語を書きます。
私が見たのは初日が『食る(たべる)・う○こ』で、それ以外の日は『食る・ねる』でした。
他の単語ってあったんでしょうかねぇ?
ちなみに”食る”は送り仮名も間違ってますが、”食”の3画目と8画目も抜けています。
それを大神さんが修正。
”べ”と”食”の欠けている部分を書き足します。
かえで「(中略)♪問題点が見つかるわ ほらねそれが勉強!
♪楽しくなってきたでしょう」
ここで間奏。
その間に黒板を消し、そこに『○+○=4』と書き込むかえでさん。
肝心のカンナさんはと言うと…
カンナ「(テーブルの下に逃げ込んで)あたいはいいって!」
紅蘭「カンナはん!」
カンナ「いいって!いいよ!」
と、テーブルの下に潜り込んでしまってます。
さて、かえで先生の次の授業は?
かえで「は~い!例えば、4にするには何と何を足したらいいかしら?」
大神「1と3!」
かえで「そうね!」
横道「2と2!」
かえで「そう!」
紅蘭「3と1や!」
かえで「それもある!」
ボス「4と0!」
かえで「うん!」
金田「1と1と1と1!」
かえで「素晴らしい!」
楽しそうなみんなの様子にテーブルの下から出てくるカンナ。
かえで「それでは、ここが5だったらどうかしら?」
カンナ「はい!はい!(みんなを抑えて指折り数えながら)あたいが言う!あたいが言うから!」
かえで「♪いろんなやり方あるでしょう 答えだけを求めないで それが勉強~」
紅蘭・大神・ボス・横道・金田「♪そうだ そうだぞ 解ってきたぞ 予習復習メモ書き勉強」
かえで「♪ほらね だんだん楽しくなってきたでしょう」
カンナ以外「♪予習復習メモ書き勉強」
この歌を聴きながらこの歌に小さい頃出会っていたら…とか思ってみたり(笑)
発想の転換って大切なんですね、はい。
横道「ああ、勉強になりました!勉強って楽しいんですね!」
カンナ「(テーブルの上に座って)ええ?楽しいかぁ?」
紅蘭「楽しいやないの!勉強すれば解らんかったことが次々と解るんやで!
それに世の中の役に立つ人間にもなれる」
かえで「そうね(^^)」
カンナ「いいや、あたいは解らなくて」
紅蘭「カンナはんは解る前に忘れてしまいますもんね」
カンナ「はははははっ、そうだよな!
あのさ、ほら!飯食うだろ?するってえと、一本どっこがずるっと出る。スッキリ忘れる。
飯!一本どっこ!スッキリ忘れる!
人間万事クソ袋!勉強なんてクソの役にも立たないよ~」
そんなカンナに大神さん。
大神「考える力を育てるのは大事なことだよ?カンナ」
カンナ「そっか?」
大神「考える力は社会を少しずつ良い方向に導くんだ。
そして、畏れや悪い心に打ち克つんだ!」
カンナ「そんなもんかなぁ…。
(テーブルの上でかがみながらちょっと苦しそうに)ん~~~~~~!!!」
大神「おい!どうした?!」
かえで「カンナ?!どしたの?!」
カンナ「考えてる」
突然苦しみだしたように見えたカンナさんだったので、「何だよ~」と崩れ落ちる一同。
カンナ「それがサッパリ解んねぇんだよ」
紅蘭「んもう、しゃあないなぁ」
カンナ「(先ほど同様にかがみながら)ん~~~…。
あ!そうだ!どうして一本どっこは毎日毎日よう出るんだ?
ああ、よう出る。悲しいほどによう出る。…ん?ヨーデル??」
待ってました!!
カンナの妄想5!!!
”更衣室”と書かれたプレートがクルリと回り”カンナの妄想5”となりました。
すみれさん(トカゲ)から始まり、かえでさん(バナナ)、マリアさん(怪人デベソ)、織姫さん(サボテン)と続いてきた妄想も早5回目です。
今年は一体誰が犠牲に?!
いえ、栄光のその座に?!(笑)
「ヨーデル レッイッヒーーー!!」
の声とともに中から登場は何とレニ!!!!(爆)
勿論、妄想ダンサーズこと薔薇組も一緒です(笑)
琴音さんのお腹には”よー”、菊ちゃんのお腹には”でる”とあります。
あ、でも今回は着ぐるみじゃないんですね。
ヨーデルってことで(?)普通に民族衣装っぽい感じで。
スコットランドのダグパイプ吹くときの正装みたいなやつです。
赤と青のラメで普通に可愛いですよ、レニ。
スカート(!)にハイソックスだし O(≧∇≦)O
ちなみに伊倉さん立候補だそうです(笑)
では、肝心の歌詞を。
恐らくこんな感じだったと思います。
レニ「♪ヨーデル ヨーデル ヨーデ ヨーデルレッイッヒー
快食快便よう出る ヨーデルレッイッヒー
蛇口をひねれば水がよう出る ヨーデルレッイッヒー
1192つくろう試験によう出る ヨーデルレッイッホー
出る出る よう出る ヨーデルデー
出る出る ヨーデルデー
それでは みなさん さ~よ~な~ら~~~~
(更衣室の中に戻って中に)…礼!
ヨーデルレッイッヒー(エコー付)」
更衣室のカーテンが再び閉まり照明も元通りになります。
カンナ「あっはっはっはっ!一本どっこがヨーデルだって!!
あっはっはっはっ!これが考える力だ!あっはっはっはっ!」
自分の妄想に笑うカンナ。
武田「ボスーーーー!!」
そこに上手側から結構な勢いで駆け寄ってくる西村・武田。
かえで「どうしたの?!」
ボス「なんでぇ!なんでぇ!」
西村「(ボスを見て)ボス、何ですか?!その格好は!」
金田「あんたたち、まだやってたんでゲスか?」
武田「じゃかあしい!黙ってろ、金公!」
西村「やっと答えが見つかりました!」
ボス「答え?」
西村・武田「へい!」
武田「発表、します!(西村が口でドラムロールの音をつけます(笑))
雪だるまのように膨れ上がって町中を彷徨い続けた謎の答え!
人類が未だ解決出来なかった謎、『子供はいつ大人になるのか?』!」
西村「その答えは!」
と、西村が言おうとしたときそれを遮るかのようにボス。
ボス「(得意そうに)ごめんなさいって謝れるようになったときだよ!」
西村・武田「へ?」
ボス「へ?じゃねえよ。ねぇ、かえでさん?」
かえで「え?」
カンナ「え?じゃねぇだろ。かえでさん、そう言ったろ?」
ボス「言った!」
かえで「あら…そうだったかしら?(^^;)」
時と場合ってことですよね、かえでさん(^^;)
武田「違う違う!そういうことじゃなくて!いいですか?
『子供はいつ大人になるのか』!その答えは…」
西村「深い愛を知ったときなんです!」
武田「そう!深い愛なんだよ!君たち!」
カンナ「深い愛?」
ここでボス、張り出し舞台まで出て来ます。
BGMも何だか悲壮な感じに。
ボス「(頭を抱えてガクッとその場に膝をついて)嗚呼、そうか!深い愛なのか…!
俺はヤクザの家に生まれて愛を知らずに一人育った…。
だから真っ当な大人になれなかったのか!!!!」
西村・武田「(ボスの所へ駆け寄って)ボス…!!」
ボス「(西村・武田の肩をがっちり抱いて)お前たち…!」
西村・武田「(泣きながら)ボスーーーー!!!」
ダンディ団、感動の抱擁。
そこに江戸川先生を先頭にさくらたちが帰って来ます。
江戸川「いやぁ!スゴい騒ぎでしたねぇ!
ん?(ダンディ団を見て)愛し合ってますね~!」
マリア「(ダンディたちの様子に)どうしたの?」
紅蘭「深い愛、なんやて」
さくら・マリア・アイリス・織姫・江戸川・雲国斎「(頷きながら)ああ~~!!」
織姫「そうですか~」
武田「(マリアに気付いて)あ!マリア様!もう一つ質問があります!
何で子供は大人にならなくちゃいけないんですか?」
金田「ああ。何で子供は大人にならなくちゃいけないのか?
はぁ、それはちょっと難しい問題でゲスなぁ!」
一同「う~ん…」
また同じことになるのか?!と思った矢先。
それを解決するのはかえでさん。
かえで「…夢よ!」
一同「ええ?」
かえで「それは子供時代の夢を実現させる為」
西村「子供時代の夢を実現させる為…おお!素晴らしい!!」
武田「(かえでさんの前に来て)でも子供時代の夢を実現出来なかったら?!」
かえで「それは結果でしょ?結果を先に考えてちゃいけないわ。
(優しく諭すように)いい?まず夢がある。
そして、その次に夢に向かう勇気がある!
いつの時代も子供たちの夢を大人たちが実現して社会を動かしてるの!
子供たちが夢を見られなければ社会は壊れるの」
さくら「そっかぁ!だから、いつの時代も子供たちは宝物なんですね!」
かえで「そうね(^^)
だから、私たちは子供たちがいつまでも夢を見続けられる
環境や社会を造らなくちゃならないの」
雲国斎「歌に芝居に活動に遊園地!
なるほど、夢を見られる場所を造るのは確かに大人の仕事ですなぁ!
そういうことが出来るようになれば、大人ってことなんですなぁ!」
西村「俺たちも何かしたいです!」
武田「子供が夢を見られるような仕事をしたいです!」
そんな二人の言葉を聞いたカンナ。
カンナ「分かった!お前たちもこの芝居に出してやるよ!」
カンナの提案に笑顔の一同。
ただ一人を除いては。
金田「待って下さい、カンナさん!そんなこと勝手に決められては困りますよ!」
カンナ「ああ?!」
一人反対意見の金田先生。
カンナさん、紅蘭、大神さん、かえでさん、横道先生に囲まれます。
その上、江戸川先生までもがダダダダ!と走り寄ってきて「ふん!」と無言の圧力(笑)
金田「…よござんす。お二人の為に役を書いて差し上げましょう!」
歓声の上がるその場。
ボス「先生!ありがとうございます!!」
そこにジャージ姿のレニ登場。
今回はレニのいろんなかっこが見られますね。
レニは一人だけ衣装が冬服の1着だけなので(^^;)
レニ「みんな!海賊のシーンの小道具が来たよ!」
ワァ!と駆け寄る一同。
かえで「さぁ!みんな!お稽古再開しましょう!!」
カンナ「よぉし!夢みてぇな舞台にしようぜ!!!」
全員「おーー!!!!」
江戸川「(テーブルの上に立ち)さぁ、みんな並んで並んで!せ~の、はい!」
そして、再び流れる『♪海賊稼業』のメロディー。
さぁ、カンナさんはマスターすることが出来るのでしょうか
西村、武田の肩に担がれながらカンナさんが歌い始めます。
その横に立つ横道先生。
他のメンバーはカンナさんの両端に2組に分かれて肩を組んでいます。
上手側にはボス、雲国斎先生、さくらさん、マリアさん。
下手側にはレニ、大神さん、アイリス、織姫さんです。
江戸川先生は演出なので台の上からみなに指示を。
カンナ「♪おれさまは~かいぞっくおうだ~」
まだ直ってないと頭を抱える横道先生。
そのまま歌い続けるカンナさん。
江戸川「三連符!」
カンナ「♪よ~のなかの~きらわれもっのっだ~」
見事!三連符マスター!!ガッツポーズのカンナ。
笑顔で拍手の横道先生。
安心して後ろに下がり、下手側の列に加わります。
江戸川「みんなで~!」
全員「♪だけど」
江戸川「はっ!」
全員「♪みんなよく聞けよ~」
江戸川「それ!」
全員「♪俺様は 仲間にゃ優しいぜ~」
カンナ「なっ?」
全員「(手を振り上げて)おう!」
メロディは『♪海賊稼業』の間奏からいつしか『♪ゲキテイ』のサビ部分へ。
みなそれぞれ、ジャグリングやら殺陣やらダンスやら各々の稽古に移行。
稽古場は慌ただしくも活気に溢れています。
ここで幕が降り一幕は終了です。
さぁ、休憩だと思いきや下手より商品を乗せたワゴンを挟んでアイリスとさくらさんが登場。
『♪夏の街角』の節で。
アイリス「♪夏は~」
さくら「♪歌謡ショウに行こう~」
アイリス「♪ラララ~」
さくら「♪サクラグッズを買おう~」
アイリス「♪ラララ~」
さくら「♪休憩は20分~」
アイリス「♪親方の頭は~」
二人「♪眩しいね~」
さくら「え~、恒例となりました3分ショッピングのお時間です!」
アイリス「紅蘭の発明は…ごめんなさい!ありません!」
さくら「試作品はいっぱいあったんだけどね」
アイリス「全部爆発しちゃったんだよね」
さくら「そうなんです~」
アイリス「でもその代わり…ちゃんちゃかちゃんちゃんちゃーん!
『新宝島』花組フィギュアー!!!」
…ということで、今回の3分ショッピングは特製花組フィギュアです。
SDキャラの花組7人が1セットで入っているという代物です。
さくら「これはすごい!総天然色着彩!
…っていうのは、フルカラーという意味なんですけど。
あたしたち花組が『新宝島』のコスチュームを着たいわゆるコスプレフィギュアです!」
アイリス「はい!」
さくら「気になるのがお値段ですけれども…」
アイリス「何と7体入りセットで…4500円!」
さくら「高~い!」
アイリス「こうやって並べるといつでもどこでも歌謡ショウ!」
さくら「安~い!歌謡ショウファンには外せないグッズです…(客席を見て真顔で)ね!」
アイリス「みんな~、買ってね~!」
さくら「よろしくお願いしま~す!さぁ、休憩は20分です」
アイリス「はい!」
さくら「あ!ねぇ、アイリス?」
アイリス「ん?」
さくら「カンナさんが待乳山聖天さまにお参りに行ったんだって」
アイリス「へぇ~、何をお願いしたの?」
さくら「自分だけの食堂が出来ますようにって」
アイリス「…さすが2メートルの19歳だね…!」
二人はこのまま上手袖より退場。
ちなみにこの聖天さまへのお願い事は日替わりです。
これは初日のものでっす☆
FC貸切日(19日夜)は大神さん。
アイリス「へぇ~、何をお願いしたの?」
さくら「自分だけの太正浪漫堂が出来ますようにって」
アイリス「…マニアだねぇ~~~!!」
…って、それは大神さんというよりは陶山さんなんじゃ…(爆)
20日夜はマリアさん。
アイリス「へぇ~、何をお願いしたの?」
さくら「自分だけのオンリーマンが現れますようにって」
アイリス「きゃ~~vv」
さくら「(マリアの真似っぽく)♪only man~」
妙に似てます、マリアさんの真似(笑)
千穐楽は菊ちゃん。
アイリス「へぇ~、何をお願いしたの?」
さくら「大神さんが自分だけのものになりますようにって」
アイリス「…バッカじゃないの?!」
さくらさんも「そうよね!」と頷いてここでさくらとアイリス退場ですが、何と下手袖から次々とカンナ、織姫、紅蘭、レニ、マリアが「バッカじゃないの?!」と言いながら歩いてきてそのまま上手袖へ。
最後尾のかえでさんは「困ったわねぇ…」と言いながら上手袖へ。
みんなが去った後、下手側に菊ちゃん。
菊之丞「…実らない恋ほど……燃えるものなのよねぇ…!
そうだ!大神さんに、薔薇組のブロマイド持っててもらおっと!
すみませーん!薔薇組のブロマイド一枚くださぁ~い!」
そして、退場。
大神さん、歌謡ショウらしからぬ花組さんの反応でよかったですね(笑)
モテモテ隊長だ!!(爆)
それでは、一幕アドリブをまとめてお送りします。
【FC貸切日】
-『泣かせる!!』-
雲国斎先生登場時の掛け声に新たなものが加わったということでしょうか。
雲国斎「あ!人だ人だ!凄い人だ!
♪人で溢れる歌謡ショウ~~
♪あぁ~嬉しやさくらさん~~
♪あぁ~ありがたやマリアさん~~
♪また今年もみなさんに~会えて嬉しいぃぃぃぃ~~」
…と、いったところで。
雲国斎「♪桜…
…皆さま方。会えて嬉しい、あまりの嬉しさに私思わず『うぅぅぅ』と
こういうような愁嘆の節になってしまいます。
そういうときは…、
『泣かせる!』
と、こういう風に声を掛けて頂きたいと思います」
新しい掛け声ですね。合点です!!
雲国斎「♪また今年もみなさんに~会えて嬉しいぃぃぃぃぃ~~」
泣かせる!!(^0^)
雲国斎「♪桜ぁ~~~花ぁ~~~~」
【20日夜】
-東京撤去…-
マリア「東京撤去きょきゃ…」
いきなり噛んでしまったマリアさん(笑)
タマキ「え?」
マリア「東京撤去きょきゃ…」
またまた噛んでしまいます。
ちょっと笑いこらえ気味で(笑)
タマキ「え?」
マリア「いいからその東京撤去許可局許可証を出しなさい!!」
三度目にしてクリア!
-まだ?-
金田「あ!これは横道たれ子先生!」
横道「たれておりませんのよ、まだ!それ子です!そ、れ、子!」
まだ、なんですか?(笑)
【千穐楽】
-やってみろよ!-
武田「でもね。子供の頃好きだった『ゾウさんブラブラ~!』って今じゃ出来ないでしょ~?」
と、普通だったらここで「出来ない!」と言うはずの西村ですが?
西村「出来る!」
始まりました、楽日名物武田さんいじり(笑)
絶対にここはいじってくると思っていましたとも。
レポ書く方としては微妙に辛いこの冒頭のシーンを書くことになるんだろうなぁ、と(苦笑)
ボス「やればいいじゃん!やれよ!ズボン下ろして!お客さんも待ってるぞ!」
案の定、客席からは「やれ!やれ!」コール(^^;)
ズボンのベルトを外してファスナーを下ろす武田さん。
って、ええ?!(大汗)
武田「け、毛が…(汗)」
ボス「毛の話は後だろ?」
武田「もうこれくらいでいいっしょ?!」
まぁ、一応というかお約束というかボスは足元に用意しておいた一斗缶で武田さんをガコン!と。
この後はいつも通りに進み、例の微妙な替え歌に。
西村も一緒に歌うはずが、これまたハメられ気が付けば一人で歌わされていた武田(笑)
ボス「何、下品な歌歌ってんだよ。放送コードに引っ掛かるだろ?!」
そのあとの武田は台詞をとちってしまうなどボロボロでした(爆)
しかも、奈落が下がってる途中にまでボスに一斗缶で2、3回叩かれてました(笑)
-土曜のウナギ?-
織姫「そうで~す!だから週末の土曜にはウナギを食べるんですね!
土曜のウナギって言うでしょ?」
アイリス「そうなんだぁ…」
織姫「ウソで~す!」
やっぱり、違うって解ってたんですね(笑)
-美味しいときは??-
アイリス「なぁに?ボーノって?」
織姫「ボーノって美味しいって意味で~す!アイリス、やってみて。ボーノ!」
アイリス「ボーノ!」
織姫「ボーノ!」
アイリス「ボーノ!」
織姫「(客席の方を向いて)みなさんもやってみて!ボーノ!」
ボーノ!
織姫「ボーノ!」
ボーノ!
織姫「美味しいときは…」
みんなで「ボーノ!」
-コント?!-
金田「(中略)これを我々劇作家仲間では形容詞といいます」
武田「給食のカロリー計算しているおばちゃん!」
金田「それは栄養士!」
武田「お義父さん!僕、お嬢さんと結婚してお義父さんの息子になります!」
金田「それは婿養子!」
西村「先生、肩凝るでしょ!」
金田「ああ、近頃首がねぇ…」
西村「肩に何か乗ってます。(武田と二人で念じながら)むぅ~~~…ん」
金田「ああ、スッキリした…って、それは霊媒師!」
武田「ああ、わかったわかった!あのサングラスかけてほうき持ってる人!」
金田「それは広井王子!いいかげんにしなさい、あんたたち!
どこまで引っ張れば気が済むんですか!
大体、広井王子ってどこにも当ってないじゃないですか!
あたしが今言ってるのは形容詞!いいですか?
この”しい”というのをつけると”~のようだ”ってことになるんだねぇ。
一方、”馬鹿馬鹿”は強調です。
仲間に仕掛けられてもう絶句して素になってしまうような奴は馬鹿だってことです」
金田先生の発言に苦笑する武田。
しかし、当の金田先生もこのアドリブを言ってしまったせいか、どこまでやったか解らなくなる始末。
仕返しとばかりに武田。
武田「余計なこと言うからそうなっちまんですよ!(笑)」
-スタァの心得-
マリアとさくらが客席から登場のシーン。
当然ごとく凄い歓声に思わずマリア。
マリア「何かみんなに今、呼ばれたような気がしたんだけど」
さくら「そういえば何か呼ばれたような…。
!さすが、マリアさん!大勢の人の声援を浴びてるような緊張感を持って
街を歩けってことですね!」
マリア「そういうことじゃなくてね、さくら…」
-究極の掛け声-
雲国斎「♪会えて嬉しいぃぃぃぃぃ~~~~~
…皆さま方。何と掛け声を掛けていいか分からないとき、
あるいはですね、毎回毎回掛け声を変えられてとうとう掛ける掛け声がなくなった。
そういうときは…『ばっ!』。こういう掛け声をね。気合いのような声です。
”ぱ”と”た”の間のようなね。では参ります」
『ばっ!』ですか(笑)
さくらさんとマリアさんも舞台上で笑いながら言ってみてます。
雲国斎「♪会えて嬉しいぃぃぃぃぃ~~~~~」
ばっ!(^0^)
いいのかな、これで…(爆)
-頑張れ!薔薇組さん(笑)-
琴音「…菊之丞。(客席からの掛け声に)何かザワついてるわね」
しかし、照明も落ちたまま菊ちゃんの声がしません。
琴音「菊之丞!ここからは出れないのよ!早く行きましょうよ」
菊之丞「(早口で)何だかいつもすぐ明るくなってたような気がするんですけど、
なかなか明るくならないからここから戻ろうかと思っちゃいました(泣)」
菊ちゃんはハンカチでそっと目頭を(笑)
琴音「何言ってんのよ!(笑)
(前に歩きつつ)…何か早かったわね。寒い夏で早かったわね」
菊之丞「はい」
琴音「公演9回もやったのよ?覚えてる?」
菊之丞「覚えてます」
琴音「…でもさー」
菊之丞「はい」
琴音「でもね…」
どうやら本編に戻るきっかけを掴み損ねてしまった琴音さん(笑)
そんな琴音さんに客席のあちこちから声援が。
琴音「頑張るわよ!」
そう舞台に向かいつつも二人ともきっかけを掴めず。
お互い笑いを堪えています(笑)
なもので、琴音さん。
琴音「菊ちゃんに声援をお願いします!」
菊ちゃんが言えずにいるから琴音さんが返せないんですね(笑)
菊ちゃ~ん!!頑張れ~!
琴音「菊之丞、どうなの?」
菊之丞「えっと~…(笑いを堪えて)
…きっとこの辺りだと思いますよ?琴音さん」
お、戻りました!
琴音「あ、そう。へぇ~…。………戻りにくいわね(笑)」
折角、戻ったと思ったのに(笑)
会場からまたも声援。
そこで拍手をあおった琴音さん。
パン!パパパン!
と、いつものように華麗に止めて台詞に戻れました(笑)
琴音「…で、何で今戸なの?」
かなり力ワザですけどね(笑)
菊之丞「(しばらく笑いを堪えて)…狐は今戸だって聞いたことがあります」
琴音「へぇ~」
菊之丞「でも、琴音さん。どうしてお狐さまなんです?」
琴音「あら、いいこと聞いてくれたわね」
菊之丞「はい」
琴音「今度あたしが演る役」
菊之丞「はい」
琴音「知ってる?」
菊之丞「はい。え?」
思わず聞き返す菊ちゃん。
だってここは聞かれる場面じゃないですものね(笑)
琴音「聞いてる?(笑)」
菊之丞「別にいい加減に聞いてた訳じゃないんですよ(汗)」
武田さん、大神さんと並んでアドリブ苦手なんですよね。菊ちゃん(笑)
観てるとそういう風には見えないんですけどね。
琴音「き」
菊之丞「き?」
琴音「流木」
菊之丞「流木の役ですか?」
琴音さんが助け船を出してやや本編に戻ってきました。
ここでまたパン!パパパン!と拍手を起こして菊ちゃんを盛り立てる琴音さん。
琴音「すごく難しい役でしょ?!ねぇ!
だからね、あたしどうやってやったらいいかなって一生懸命考えてたの」
はい。少々、力ワザもありましたが何とか本編に戻れました!
-華麗なる!-
『大人とは…』千葉助さん説で武田が嘆くシーン。
江戸川「馬鹿っ!泣くな!ふん!ふん!」
と2回ほどいつものように武田を殴るジェスチャーをしたあと…。
江戸川「(武田の額に)チュッ」
何と武田に、でこチュウ!(爆)
しかも結構音がしました(笑)
殴られる以上に転倒する武田。
さすが、江戸川先生!面白ポイントを解ってらっしゃる!(笑)
そして。
江戸川「涙のエアプレイ!本日はダブル!」
と、2回も華麗なターンを!!
お見事!!!
-ホンマ、照れるわ!-
レニが紅蘭を誉めて紅蘭が照れるシーン。
レニ「ははっ。紅蘭はいいね」
紅蘭「何が?」
レニ「いつも周りを明るくする(^^)」
紅蘭「やだ、もう!!照れるわっ、あはははっ」
そう言いながら思いっきりレニの肩をバシッと叩くのですが、楽日はそれはもう笑)
レニがよろめくどころか下手袖近くまで吹っ飛んでしまうくらい激しかったです(爆)
レニ「わぁっ!」
レニも負けじと…。
レニ「はははははは…。あとは何買うんだっけ?」
紅蘭の手を思いっきり握ります(笑)
紅蘭「!ブレーキとオイルとヤスリやね」
レニ「じゃ、早く買って帰ろ。台本読まなくちゃ」
紅蘭「あ!台本や!」
レニ「帰ろうか」
紅蘭「帰ろ!(汗)」
レニは肩をさすり、紅蘭は手をさすり(笑)
ある意味、アクションシーンなのでした(^^;)
-きび団子?!-
千葉助さんから貰えるきび団子。
この日は何と!
千葉助「はいどうぞ!」
そう千葉助さんが紅蘭に差し出したのは大福2個を串に刺したもの(笑)
勿論、レニにも漏れなく。
笑うしかない二人(爆)
さぁ、試食ターイム!
レニ「千葉助さんって紙芝居屋じゃなかったっけ?」
紅蘭「(大福を食べつつ)何や、このきふぃたんこおいふぃい(このきび団子おいしい)」
結構、口の中いっぱいです。紅蘭(笑)
レニ「やめちゃったのかな」
紅蘭「この甘ふぁ(甘さ)がええんやな」
レニ「紅蘭は、そういうことは気にならない?」
紅蘭「いや、きび団子やなくて大福の味がする!」
紅蘭、見事大福1つを完食!
レニ「早く買って帰ろうか!(自分の分を差し出して)よかったらこれもあげるよ」
レニの言葉に思わず吹き出す紅蘭(笑)
逃げるように上手袖へ退きます。
レニ「(大福を口にして)ん!…大福」
きび団子じゃあないですよね、どう見ても(笑)
-解ったやつ!-
武田「(前に出て)いつまで考えてんだよ?!一体、子供はいつ大人になんだ?!
この答え解ったやつ!!」
全員「(手を挙げて)ふぁ~い」
いつもは薔薇組だけなのに全員で欠伸(笑)
驚く武田(爆)
武田「なんだよ、もう!みんなして!」
-東京都撤去許可局許可証-
この日は東京都がついてました。時代的には無理がありますけどね(^^;)
しかし、言いづらさ倍増です(笑)
マリア「…東京都撤去きょきゃきょく許可証を出しなさい」
前日に引き続き、噛んでしまったマリアさん(笑)
タマキ「え?」
マリア「(ゆっくりと)東京都撤去きょきゃきょく許可証」
それでも噛んでしまったマリアさん(笑)
タマキ「え?」
終いには…
マリア「(笑いを堪えて)撃つわよ?いいから出しなさい!」
そして、半ば力ワザでタマキから許可証を受け取るとこれでもかってくらいビリビリに破いたのでした(爆)
-あれれ?-
着替えて更衣室から出て来たボス。
しかし、稽古場には誰もいません(笑)
あれ?となったところで下手よりみなが歩いてきて登場。
かえで「あら?ダンディさん」
ボス「いなかったんで、心配しましたよ(^^;)」
ボスでさえも標的に!
恐ろしや、千穐楽!(爆)
-オペラ!!!-
横道「解らないかしらねぇ?それでは、わたくし横道それ子が歌ってお教え致しましょう!
♪お~~れ~~さ~~ま~~は~~かいぞ~~く…」
カンナ「おい!おい!ちょっと待て!」
あ、いつもよりカンナさんが止めるのが早いですね。
やっぱり時間が押してるから?(笑)
カンナ「ちょっとあんた!…って、先生にあんたはないよな!ゴメンよ。
そりゃ、オペラだろうよ?!」
横道「オペラよ。あ、カンナさん!オペラがお聴きになりたいの?!
何?椿姫が聴きたい?じゃあ、ちょっとだけ」
と、いうことで思い掛けず本物のオペラを聴かせて頂けることに O(≧∇≦)O
勿論、サクラ版の椿姫ではなくヴェルディ作曲の歌劇「椿姫(La Traviata) 」よりです。
そちらの方面にあまり明るくないので恥ずかしながら曲名は存じませんが、会場全体が歌声に包まれて音で空気が震える感覚とでも申しますか。
とにかく、大迫力でした(*’ ‘*)
カンナ「って、おい!椿姫習ってどうすんだよ!『新宝島』だよ、『新宝島』!
そんなの歌えるわけねぇだろ、そんな!」
カンナさんの突っこみがそんなだったのは勿論のこと(笑)
-オペラ???-
さぁ、オペラも聴けたことですしお稽古再開です。
かえで「さぁ~カンナ~~。もう一度~~行くわよ~~」
あら?かえでさんも何故かオペラ調に(笑)
カンナ「ちょっと待てよ!かえでさん!」
そして、当のカンナさんも。
カンナ「お~~~れ~~さま~~~~は~~~
お~~~~おぉ~~~~あ~~~~ぁ~~~~」
アヤしいオペラを披露(笑)
思わずズルッとなる一同(爆)
横道「カンナさん、とっても面白いんだけどちょっと違うの(笑)」
面白いんですけどね、ホントに(笑)
カンナ「なんだよ~」
横道「オペラでもなければ海賊王でもないの(笑)」
-金田先生の差し入れ-
いつもの夕張スイカではなくファンからキャストさんに届けられた本物の差し入れでした。
当然のごとく、口に入れるカンナさん(笑)
-横道…先生?-
金田「あ、こりゃ誰かと思ったら横道ぐれ子先生!」
横道「いえ、ぐれておりません。昔ちょっとね。それ子です!そ、れ、子!」
金田「今は更生してそれ子先生に!あ、失礼しました!」
昔ちょっと…だそうです(笑)
-マナー違反?(笑)-
金田「渾身の力で書かせて頂きました、はい」
カンナ「(差し入れを食べつつ)おい、金田せんせぇよお!
あんたが書いたこの台本、デタラメだな!」
紅蘭「カンナはん?」
金田「そりゃひどいでゲスな。食いながら」
ねぇ…(笑)
-今日は違いました-
かえで「カンナ、この台本はパロディなのよ」
カンナ「パァンティなの?」
かえで「パロディ」
カンナ「ポロリ~?」
かえで「パロディ!」
カンナ「ベロリ~、ベロリベロベロリ」
かえで「パァロディ」
あら?いつもはここでカンナをスルーしてたのに(笑)
思わずカンナさん。
カンナ「…今日は優しかったんだな」
…といったところで一幕アドリブは終了です。
ここまで、お疲れ様でしたm(_ _)m
休憩は20分。
アナウンスは大神さんです。
大神「これより20分間の休憩です」