その笑顔が酷く残酷に思えた。
いっそ、突き放される事さえ厭わなかったのに。
受け容れられない方が納得もしたし、諦めもついたのに。
…どうして。
どうして、そんなに簡単に受け容れられるのだろうかと思う。
「気持ち悪くないん?」
そう問うと、きょとんとした顔をして返された。
「?よく判んねぇ」
「は?」
どういう事なのかと昌平の顔を見つめ返す。
「あー…。だって、世海は世海だからなぁ…」
当の昌平もよく判っていない様だった。
「だから、断れへんの?」
「お前と一緒に居て嫌じゃねぇし、避ける理由もねぇだろ」
自分達の及んでいる行為にそんな簡単な事では済まされないだろうと苦笑する。
「訳わかれへんお人やねぇ…」
「そうか?」
思わずため息を吐くと同時に妙に安心している自分に気付く。
昌平がこういう男だから自分達の関係は成り立っているのだと確信をする。
自分と同じ様な思考の人間だったら友人としてもこうも仲良くなっていたかどうか。
「ま、気楽に行こうや」
その言葉に頷いた。