頬を染め、音子の頭を撫でながら、源三郎が呆れた様に言った。
「ホンット、ガキだよね。アンタも。僕より年上の癖にさ」
「1つしか違わないじゃない」
「年上には違わないじゃん。なのに、褒める時には撫でて、なんてさ」
鼻で笑った源三郎にムッとした表情を見せてから何故だかニコリと笑う音子。
源三郎の肩に手を置くと背伸びをして源三郎を見つめる。
「な、何?」
音子の行動に思わず怯む源三郎。
そんな源三郎を余所に音子は腕を伸ばして源三郎の頭に指を伸ばした。
「源三郎君、偉いねー」
「は?!」
満面の笑みで源三郎の頭を撫でる音子に源三郎の頬に一気に紅が差す。
「な、何なの?!一体」
狼狽えている源三郎とは対照的に落ち着いた様子で音子が笑顔で返した。
「わたしは年上だから年下の源三郎君には優しくしないとね?」
「ば、バッカじゃないの?!だからってこんな…っ」
「こんな?」
「な、何でもないっ…」
何やら気が付けば打ち負かされていて、源三郎は大きく肩を落としたのだった。