微睡んだ瞬間だった。
冷たい何かが足に当たった。
「!ぉわっ」
思わず声を上げると背中から寝惚けた声が聞こえてきた。
「…何やの?」
声の近さに振り返るといつの間に入ってきたのか世海の顔が真後ろにあってぴたとくっつかれた。
「ななななっ!」
あまりの事に言葉が出て来ない。
「何どすか?」
「それは此方の台詞でいっ」
そう言ったら不思議そうに首を傾げて返された。
「昌平、温そうやったから」
「は?」
「こうさぶいと寝られなくて」
「だから、此方の布団来たってのか?!」
「へぇ。ダメどした?」
そういつもの柔和な笑みを見せた世海に
「…べ、別にいいけどよ」
そう言って布団をかけ直した。