えどさくら9配布ペーパーより。―始まりは

 ザーーッと音を立てて降る雨を使い先の店の軒先で見つめながら音子はため息を吐いた。
 「…困ったなぁ。これじゃ、劇場に帰れないよ。折角、椿ちゃんを手伝えるかと思ったのに…」
 椿からの頼まれ物を濡れないように両腕で抱えながら、すっかり肩を落としている音子にすっと傘が差し出される。
 「え?」

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