―桐朋源三郎の場合

 「源三郎くん?」
 思い掛けない人物の登場に音子の表情が驚きに変わる。
 「何?僕じゃ不満な訳?」
 照れ臭さを隠す為なのか眉をひそめ言った源三郎に首を振る音子。
 「ううん。困ってたから来てくれて嬉しい」
 「たまたま通り掛かっただけ。入れてやってもいいよ」
 「うん!ありがと」
 (わざと一本なんだし)

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