手にべっとりとチョコレートを付けると笑みを浮かべて昴にその手を差し出すロベリア。
そのロベリアの行動に眉をひそめると昴が言った。
「…僕にそれを舐めろということか?」
昴のその言葉に肩を竦め人を喰った様な顔をしてロベリアが返す。
「アタシは何も言ってないぜ?何だ、舐めてくれるのか?アンタが。そいつは大歓迎だ」
ロベリアの返答にため息を吐き、目を細めると。無言でロベリアの手を取り自分の顔を近付け舌を出して、ロベリアの指に付いたチョコレートを舐める昴。
昴らしくない反応にロベリアから僅かに吐息が漏れる。
「っ…どういう風の吹き回しだ?」
そう揶揄したロベリアにしれっと昴が言い放つ。
「君が大歓迎だと言ったんだろう?それとも、あれはただのハッタリかい?」
逆に不敵に笑って返した昴に、一瞬の間の後ロベリアから笑いがこみ上げる。
「くくっ…、いや?本気だ。舐めてくれよ、昴」
手を差し出して挑発するように指を動かして見せるロベリア。
「…丁度、甘い物が欲しいと思っていたところだ」
ロベリアの挑発に負けじと返して、再びそれを舐める昴。
「そうだろう?」
嬉しそうに口角を上げるとロベリアは昴の腰を抱く様に自分の方に引き寄せた。