「どうしたんだよ?急に」
ソファに座って本を読んでいたサジータの膝に頭を乗せ横になった昴にサジータが問う。
「…理由がなければおかしいかい?」
逆にそう問い返してサジータの頬を撫でる様に指を伸ばす昴。
「そういう訳じゃないけど、あんたが自分からこんな風にしてくるのも珍しいからさ」
昴の顔を覗き込む様にサジータが言った。
頬に触れているその指先の感じも何となくではあるがいつもと違う気がする。
「…では、もっと勝手な方が良いのか?」
目を細めるとサジータの頭を引き寄せて深く唇を重ねる昴。
「…っ…そんな事は…言ってな…っ」
昴の舌の感触に気が遠くなりそうになる。
吐息さえ奪うようなそのキスにサジータが目眩を覚えた頃にようやく唇を離して呟くように昴が言った。
「…少し疲れているようだ。暫くこうさせてくれないか?」
呼吸を整えるように深呼吸をしてから答えるサジータ。
「あんたの気の済むまでいいよ。アタシを頼りにしてくれたんだからね」
「…たまたま思い付いたのが君だっただけだ」
サジータの言葉に目を逸らして。
「照れるなよー」
「サジータ、やはり君には」
「ああ、躾はもう少しあんたが休んだら受けるよ」
昴の言葉を遮ってそう言ったサジータにやれやれと苦笑すると昴は瞼を閉じた。