「好きだ、あんたが」
切なさと熱が入り交じった声でそう囁かれるだけで満たされてしまって目に涙が滲む。
ロベリアはそんなグリシーヌの目から溢れる涙を舌先で掬い取る様に舐めて瞼にキスを落とす。
「狡いな、そなたは」
ロベリアの髪を手で梳いた後、グリシーヌが言った。
「そう感じさせてるんだったらアタシの勝ちだな」
口角を上げてロベリアが答える。
「?どういう事だ」
「あんたはアタシの事を優しいとでも思ってるんだろ?」
ロベリアの問いに頷くグリシーヌ。
先程もそう言おうと思っていたのだ。
そんな風に優しくされたらどうして良いか分からなくなる、と。
「そう思わせておいた方が出来るだろ?色々とさ」
いつもの様に不敵に笑ってそう言ったロベリアに嫌な予感を感じつつも、グリシーヌは少しの期待を持ってしまっている自分に苦笑したのだった。