グラスの水を一気に飲み干すとヒューゴは大きく息を吐いた。
「…どうしたの?眠れないの?」
不意に聞こえたその声に逆に聞き返す。
「…君こそ起きていたのか?源三郎」
「ちょっとね…。僕も水を飲みに来たんだ。そのグラス、いい?」
「ああ」
源三郎にグラスを差し出すとぎゅっと抱きついてきた。
「…水を飲みに来たんじゃなかったのか?」
「そうだよ?」
ヒューゴの肩に顎を乗せ源三郎が答える。
「言ってる事が」
「同じだよ。また嫌な夢見たんでしょ?」
「……」
「僕がヒューゴにとってその水と同じ様になれればと思ってるよ。少しでも君が一息つく事が出来ればいい」
微笑んでグラスを受け取った。