「ルイス!避けんなって!」
鍛錬室で組み手の稽古をする源二とルイス。
「避けないと痛いじゃないですか。源二君」
穏やかな笑みを浮かべながら源二を正拳突きを軽々とかわすルイス。
源二としては手加減をしているつもりはないのだが、これがなかなか当たらない。
「じゃあ、撃ってこいよ!」
避ける割には攻撃をして来ないルイスを挑発するように源二が言う。
「でも、当たったら源二君が痛いと思いますよ?」
笑みを絶やさないままそう言ったルイスにムッとした表情で源二が返す。
「オマエ、オレが避けられないって思ってるのか?!」
「源二君なら避けられると思ってますけど、念の為です」
それでますます馬鹿にされた思ったのかルイスの挑発に乗る源二。
「避けられるに決まってるだろっ。撃って来いって」
「本当に良いんですね?」
「しつこい奴だな!」
「では…」
そう息を一つ吐いた後。
一瞬で間合いを詰められ両腕を摑まれ壁際に追い遣られた。
「…隙あり、ですね。源二君」
そう微笑んだ。