「ジオがいつも言ってるアレ。何だっけ?」
楽器を磨いているジオに源三郎が話し掛ける。
「ノブレスオブリージュ、持てる者の義務だな。貴族の精神と言ってもいい」
「へぇ…」
返事をしているもののさほど興味が無さそうな源三郎に眉をひそめるジオ。
「珍しく君から聞いてきたと思ったのだが」
「ああ。僕が興味があるのは話の内容とかじゃなくてさ」
「何?」
「その話をする時のジオの顔が好きってだけだから」
不敵に笑って返すとジオの唇を奪って。
「それじゃ、おやすみ。良い夢をね」
軽く手を挙げてその場を去る源三郎。
源三郎の去った後、ジオは一気に赤面した。