「ロベリアさんは意地悪ですよね」
困惑した表情でメルが言った。
「アタシが?まさか」
肩を竦め口元に笑みを浮かべながらロベリアが答える。
「それでは何故そうやってドアを塞がれるんです?」
ドアに寄り掛かりメルの行く手を遮っているロベリアに非難めいた表情を向けるメル。
「何故、だって?」
「何故かって聞くのか?アタシに?アンタが?」
くく…と低く笑って目を細めるとメルの腕を掴むロベリア。
メルに緊張が走る。
「んなの、アンタを閉じ込めたいからに決まってんだろ?」
引き寄せて抱き締めて耳朶を甘噛みすると囁いて。
「…アンタをアタシの中に全部ね」
「!」
「だから、行かせないぜ?」