「だから、グリちゃん。さっきから近過ぎると思うんだけど」
至極近い息も掛かる距離でサジータを見つめるグリシーヌに困惑した様にサジータが言う。
「そうか?そうでもないであろう?」
そうサジータの首筋に唇をあてるグリシーヌ。
突然のその唇の感触に思わずサジータの背筋が伸びる。
「!…っ…」
「と、突然どうしたのよ?」
グリシーヌの行動を怒るでもなくサジータが聞く。
「理由などは特にないぞ?ただ甘そうだと思ってな」
ふふ…と笑いながら言ったグリシーヌに苦笑して、チョコを1つ指で摘まんでグリシーヌの口元に差し出すサジータ。
「甘いのがいいならこっちにしてよ、グリちゃん」
差し出されたチョコをまじまじと見つめた後、ニヤと笑ってサジータの指ごとチョコを口に含むグリシーヌ。
「!?…っ…ぐ、グリちゃ…ん…っ」
指先を丹念に舐める舌先からの刺激と熱で頭がボーッとしてくるのが分かる。
直接、其処に触れられている訳ではないのに躯の奥の熱が疼き始めてしまう。
指先を舐めながらサジータの表情をチラと見てそれが窺い知れたのか満足そうに口角を上げるグリシーヌ。
「…そなたの甘い表情をもっと私に見せてくれ」
目を細めると艶のある声で囁いて、サジータのネクタイを一気に引き抜いた─。