げん音子

 「音子ー!」
 往来で威勢の良い声で呼ばれて振り向くと源二が駆け寄って来た。
 「源二君」
 「買い物か?」
 音子の荷物を見て源二が問う。
 「うん。ちょっと椿ちゃんのお手伝い」
 「そっか。ほら、貸せよ」
 「え?」
 「荷物持ってやる」
 「あ、ありがと」
 「礼なんていいって」
 (二人で歩けてむしろ得したしな!)

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