サジータが出て行ったのを見届けるとロベリアは片手に斧を持って挑む様な視線を投げかけてくるグリシーヌとの間合いを一気に詰め、唇を甘噛みした。
「!」
「ちょっとはしゃぎ過ぎたんじゃないか?」
「ほぅ、ヤキモチか?ならば、そなたにもしてやろうか?」
(全く…本当に質が悪いったらないよ)
「残念ながら、アタシじゃアンタの期待には添えられないね」
「フン、謙遜か?そなたらしくもない。頭でも打ったか?」
ロベリアの言葉に鼻で笑うグリシーヌ。
「はん、謙遜?まさか」
ニヤと笑ってロベリアがテーブルの上に置かれたチェイサーを手に取る。
「アタシはアンタにする方が好きなんでね」
そうチェイサーをグリシーヌの頭上に傾けてグリシーヌに水を掛ける。
「なっ…貴様何を?!」
思い掛けないロベリアの行動に動揺するグリシーヌ。
「……目が醒めたかよ、お嬢チャン?」
チェイサーをテーブルに置いてグリシーヌの顔を覗き込むロベリア。
「……ぁ…ロベリア…?」
「よう」
「これは?」
髪から水が滴っている自らの姿に首を傾げてグリシーヌが聞く。
「それは後で教えてやるよ。とにかく、先にシャワーだな」
「?あ、ああ」
「その代わり、アタシも一緒にな」
「!」
頬を染めたグリシーヌの肩を抱いて、ロベリアはシャワー室へと向かった─。