「全く、信じられませんわ!」
大神の部屋で過ごす休日。
一緒にホラー映画のDVDを観ながら、何度も大神に驚かされて不機嫌そうにすみれが言った。
ただでさえ、ホラー映画が苦手でビクビクしていたというのに、更に驚かされて大神にしがみついたり悲鳴を上げるばかりだったのだ。
「ごめんね」
「本当に反省なさってますの?先生」
どうにもニヤケ顔の大神を疑いの眼差しで見るすみれ。
「勿論してるよ。すみれくんが可愛かったからついやり過ぎてしまったんだ」
そう言ってまた表情を緩ませる大神にため息を吐いて。
「先生は時々、子供っぽい事をなさいますわよね…」
呆れ顔ですみれが言った。
その言葉に口角を上げ顔を近付ける大神。
「子供っぽくないのがいいならそうしようか…?」
囁く様に言ってソファに押し倒すと、すみれは赤面して首を横に振った。
「…程々にして下さいまし。し、心臓が持ちませんわ…」
顔を隠しながらそう言ったすみれに微笑んでから大神は
「ごめんね」
と髪を撫でた。