大神に抱き締められながら鼻先を掠めるその匂いに何かを思い出したのか頬を赤らめるすみれ。
「…ん?どうしたんだい?すみれくん」
すみれの顔を覗き込む様に大神が問う。
「な、何でもありませんわ」
恥ずかしそうに目を逸らすと大神の胸に頬を付ける。
「本当に?顔紅いよ?」
「き、気の所為です」
「…そういえば、授業中すみれくんの席の横を通った時も同じ顔をしてたよね?」
大神のその指摘にますます朱に染まるすみれの顔。
「せ、先生の匂いがすると思っただけです」
「それで何を思い出したんだい?…こういう事とか?」
そうすみれの耳朶を甘噛みして。
「…っ…」
「君に移す位に抱き締めようか」