廊下で窓の外を眺めながらため息を吐いたすみれに通り掛かった大神が声を掛ける。
「どうしたんだい?神崎さん」
「な、何でもないですわ」
そう言ったすみれに微笑むと戯ける様に大神が言った。
「…朝の占いの結果が良くなかった、とか?」
「ど、どうして解りますの?!」
図星を指されて驚くすみれ。
「さて、どうしてだろうね」
ニヤと笑った大神に周りを気にしつつ小声ですみれが答える。
「…同じ星座ですものね。先生が占いをご覧になるなんて初耳ですわ」
「たまたまね。でも、そんなの気にしなくても良いのに」
ポンとすみれの肩に手を乗せ、去り際に。
「…後で、幾らでも良い事があるかもよ?」