頬に手で触れて。
唇に指で触れて。
その後にすみれが口づけを待ち受けているのを解っていながらそこで止め、大神が言った。
「…すみれくん、次はどうして欲しい?」
「!?」
意地悪い大神の言い方にすみれの頬が紅く染まる。
「…解ってらっしゃるんでしょう?」
そう返しながらも、顔が熱い。
「勿論。でも、すみれくんの口から聞かせてよ」
「…いつから、そんなに意地が悪くなったんですの?」
羞恥心で大神の顔を見る事が出来ないで目を逸らすすみれ。
「…いつから?さて、いつだろうね?」
「もうっ、中尉っ…」
「はは。ごめん。怒ったかい?」
「…怒れる様なら、こんなに困らないですわ…」
戯けるような大神に態度にどうしていいか解らないのか大神の肩に顔を埋めるすみれ。
「…その困った顔が好きでね。つい苛めたくなってしまうんだ」
すみれの髪を撫でながら大神が言う。
「つい、ではありませんわ、もうっ」
「ごめんね、それでさっきの質問の答えなんだけど」
「!…キスして下さいますか?」