「すみれくんの方からキスして欲しいんだけど」
そう請われてすみれの顔が一気に赤面する。
「と、唐突ですわね」
冷静さを装ってはいるが動揺しているのは明らかで。
そのすみれの表情に大神から笑みが零れる。
「中尉?」
「いや、可愛いなと思ってね」
「からかいましたのね?!」
「少し本気だったよ?」
「!また、からかってらっしゃるのでしょう?」
急に真剣な顔をした大神に見とれてすみれが拗ねた様な口調で返す。
「…本当にそう思う?」
すみれを見つめる大神の眼差しが熱い。
その視線を外す方法があるなら教えて欲しいと思う。
「…目を閉じて下さいますか?」
そう大神の肩に手を置いて背伸びをした。